廣森知恵子のビューティトーク
2016-07-13
#15 うっかり日焼け&夏老け肌を防ぐスキンケア Part1

「夏老け肌」ということばを聞いたこがとありますか?

数年前から美容誌などでも特集が組まれていますが、“ひと夏が終わるころに、肌が老けたように感じる”女性が多いことからこのことばが注目されています。症状としては、乾燥、ゴワつき、ザラつき、シミ・くすみ、そしてたるみ・シワなど、肌ダメージのオンパレード。

夏の終わりに鏡をのぞいて、「あれ、老けたかも?」なんて落ち込まないためにも、今からしっかりとケアをしていきましょう。

pixta_日焼け秋も素肌に自信がもてるように、今から紫外線対策&ケアをしっかりやっておきましょう。

夏に「肌が老ける」3つの原因

➀紫外線によるシワ・たるみ&シミ

夏に肌老化を招く原因はたくさんありますが、最大の要因は「紫外線」です。

紫外線の中でも、肌に直接影響を与えるのがVU-AとVU-B。UV-Aはじわじわと肌の真皮まで到達してコラーゲン、エラスチンを傷つけ、シミやシワを引き起こします。

一方、UV-Bは肌の真皮層まではたどりつきませんが、表皮にサンバーン(肌をヒリヒリさせる状態)を起こさせ日やけの原因になります。

また、春から夏にかけて、紫外線照射量が一気に増加するため、肌の奥ではメラノサイト(色素細胞)が、メラニンの排出を活発にさせてしまいます。メラニンが肌に蓄積されて、ある一定レベルを超えると、シミとなって肌表面に表れます。

➁冷房や冷たい飲み物による血行不良、乾燥

気温が高い屋外から、急に冷房がかかった室内に入ると、汗が急激に引いていくのがわかりますよね。この時、肌のうるおいも一緒に蒸発し、肌は乾燥してしまいます。

さらに、冷房や冷たい飲み物などで体が冷えると、内臓機能を維持するために血液を内臓に集中させてしまいます。毛細血管に血液がしっかり運ばれなくなると、肌細胞に栄養が行きわたりにくくなり、ターンオーバーが乱れ、肌のゴワつきの原因にも。

血行が悪くなると血色も悪くなり、目の下のクマも目立つようになりますよ。

③夏用メイクが原因の、毛穴汚れや角質肥厚

汗をかくと汗腺や毛穴も開きがちになり、そこに皮脂や汗に強いファンデーション、日やけ止めなどが入り込むことで、毛穴の詰まりや開き、ニキビなどの原因になります。

また、夏は飲み会や夜遊びなどでついつい帰宅も遅くなり、クレンジングや夜のスキンケアをおろそかにしがち。それも毛穴ダメージや角質肥厚などの肌トラブルを引き起こす原因のひとつです。

夏老け肌にならないためには、とにかく紫外線ケアを徹底すること

「夏になると何となく肌の調子が悪くなる」という人は、その原因がわかったのではないでしょうか?春から夏の間の紫外線照射量は圧倒的に多いので、肌は相当なダメージを受けているのです。 毎日蓄積されていく紫外線のツケは、夏の終わりから秋にかけて一気に肌に表れるため、「ひと夏超えた肌は老けた」ように感じてしまうのも当然なのかもしれません。

「夏だからしょうがいない」と諦めずに、うっかり浴びてしまっている紫外線対策とスキンケアを見直していきましょう。

日中、明るければどんな場合でも紫外線は降り注いでいます

真夏の太陽がギラギラしている時は、積極的にUVケアをしますが、曇りや雨の日、日が照っているけれど風が爽やかな日、家の中などは、つい油断をしてしまいませんか。

紫外線は太陽光線に含まれますが、割合でいうと5%が紫外線、50%が可視光線、残りが赤外線です。可視光線は眩しさ、赤外線は暑さを感じさせますが、紫外線自体には暑さもまぶしさもないのです。

日差しが強いと紫外線も強いと勘違いしがちですが、日差しが弱くても紫外線は降り続いているものなので、浴びている実感がなく、うっかり日焼けをしてしまうことが多々あるので注意が必要です。

例えばこんな勘違いをしていませんか?

・洗濯物を干す、ゴミ捨てに出る時くらいは、UVケアしなくてもいいよね。

・曇っているから、UVケアや帽子はいらないかな。

・今日は涼しいから、UVケアは必要ない。

・屋外でも、木陰や軒下で日陰になるから、UVケアしなくていいよね。

・帽子に長袖まで着ているし、紫外線対策はバッチリよね。

・家の中にいるときくらい、UVケアしなくても平気でしょ。

などと思っていたらどれも間違い。

紫外線はどんな天気でも毎日降り注いでいます。 うっかり浴びてしまった紫外線は、まるで小銭をコツコツとためている貯金箱のように、着実にメラニンを蓄積させていきます。

そして、ある一定の量がたまったら肌表面にシミとなって押しだされてしまいますから、UVケアは一年中、屋外、室内に限らす、どこにいても必要なのです。

pixta_洗濯干しゴミ出しや洗濯ものを干す時など、うっかり浴びた紫外線がシミにならないよう、わずかな時間でも必ずUVケアをしてから行ないしょう。

生理前や妊娠中、ストレスが溜まっている時は要注意!

出産を経験されている方でしたら記憶にあると思いますが、妊娠中はシミができやすくなります。この時期は体調が悪くなることもあるので、あまりスキンケアに気を遣っていられないという場合もありますが、やはりホルモンの影響が大きく関係します。

女性の体は生理周期によってホルモンバランスが変わりますが、生理前に訪れる「黄体期」は、ふだんより紫外線に敏感になり、日焼けしやすい時期です。

また、ストレスを感じていると、自律神経が働いて、副腎皮質ホルモンが分泌されやすくなり、これも紫外線によってシミをできやすくしてしまいます。年齢を重ねると、紫外線ダメージと戦う抗酸化成分が体内で生産される量も減少していくため、若い頃よりもシミができやすくなるのも事実です。

シミができにくいベース作りにはビタミンCを摂りましょう

夏休みに海や山など、紫外線が強いところに行く場合や、バーベキューや花火大会などで長く外にいる場合は、できるだけSPF値、PA値の高いものを選ぶようにしてください。

厚めにムラなくしっかりと塗り、汗や水で日焼け止めが落ちてしまったら、時には塗り直すことも必要です。 女性は顔だけでなく、首やデコルテ、手の甲までしっかり日焼け止めを塗ることをお忘れなく。ここは年齢が特に表れるところですから、いつまでもシミ、シワのない状態でいたいですよね。

また日焼けによるシミをできにくくするには、ビタミンCを積極的に摂ることが大切。抗酸化力の高いビタミンCによって、紫外線に対する抵抗力をつけることができます。ビタミンCは美容のために一年中意識して摂りたい成分ですが、特に夏の間は毎日摂取することで、シミができにくい肌のベースを作ることができます。

うっかり日焼けをしてしまったときの応急処置

紫外線を浴びると、メラノサイト(色素細胞)から、メラニンを活性化させる命令が出されるまでに少し時間があります。その間に、速やかにケアをすれば、シミになるのを防げる可能性があります。

➀肌が赤く熱をもっていたら、クールダウン&たっぷり保湿を。

肌が赤くほてるようなら軽度のやけどと同じです。すぐに冷水で冷やし、コットンに化粧水をたっぷり含ませたものを顔に貼り、コットンパックをしましょう。ほてった肌の熱を奪いながら、うるおいケアができます。

夏老け肌 ジェリーマスクビタミンC誘導体、甘草由来成分などの美肌成分をたっぷり配合し、ジェリー状に固めたマスクがおすすめ。紫外線でほてった肌をひんやり鎮めながらしっかり保湿し、透明感もアップ!ジェリーマスク/ハーバー研究所

➁メラニンの生成を抑える美白アイテムで徹底ケアを。

メラニンの活性化にブレーキをかけさせるために、美白ケアをしましょう。美白成分というものは、紫外線を浴びた後のメラニンの生成を抑えたり、メラニンが黒くなるのを防ぐものですから、毎日のケアに取りいれておきたいですね。

③ビタミンCなどの抗酸化力の高い食物を摂ることで、メラニンをシミにさせずに排出。

各種ビタミンやフラボノイド、ポリフェノールなどは抗酸化力が高く、紫外線ダメージを防いでくれる食物です。野菜やお茶など食物から摂取するのが難しい場合は、手軽に摂れるサプリメントを利用するのもおすすめです。

夏老け肌 ピクエース紫外線対策としてサプリメントもおすすめです。40種類以上のフラボノイドが含まれる松樹皮エキスを主成分に、スクワランとビタミンEを配合。ピクエース/ハーバー研究所

「夏老け肌を防ぐスキンケア」は2回に分けてご紹介します。次回8月は「PART2」として、夏老け肌に見せてしまう、乾燥、たるみ・シワ、血行不良、シミ・くすみなどの具体的なケア方法や、私がおすすめするレシピなどもご紹介しますので、ぜひチェックしてくださいね。(文/土屋綾子)