廣森知恵子のビューティトーク
2016-01-12
#09 冬は隠れた部分のボディケアを

肌の露出が少ない今の季節、つい衣服に隠れて見えない部分のケアを疎かにしてしまいがちです。おしゃれをして美しくメイクをした人の、ふっと見えてしまった腕が白く粉を吹いていたり、ひざやひじが黒ずんでかかとがガサガサだったりしたら、きっとそちらの方が強く印象に残ってしまうでしょう。逆にいえば、メイクやファッションは普通でも、腕や脚が滑らかであったり、つるつるのかかとだったら、かなりポイントが高いとえいますよね。

それに、いつ見られても恥ずかしくない、という気持ちが女性の自信につながるような気がします。この冬の間に正しいケアをして、春までに肌の露出に自信がもてる美肌ボディを育てましょう。

長湯、ゴシゴシ洗いは乾燥肌のもと

リラクゼーションや美肌のためにお風呂は欠かせませんが、半身浴が好きで1~2時間入るのがあたりまえ、体は毎日ボディソープでゴシゴシ洗っている……、そんな人はもしかしたら、全身乾燥状態かもしれません。

まずお湯の温度ですが、40℃以上のお湯で長湯をすると、肌のうるおい成分であるセラミドが溶け出してしまうとも言われ、乾燥肌の原因になってしまいます。理想はややぬるめの39~40℃。さら湯は肌の刺激になることもあるので、入浴の際には湯船に入浴剤を入れましょう。私は好みの入浴剤に美容オイルを3~5滴プラスしていますが、お湯がなめらかになって湯上り肌もしっとりします。長湯はせず、ぬるめのお湯に3分ほど入ったら体を洗ったりシャンプーをしたりなどして、それを3回ほど繰り返しています。

画像1
熱いお湯、長湯は乾燥肌の原因に。それに、汗をかくことで体重が減るのは、体の水分が出ただけなので水を飲めば元にもどってしまいます。

体を洗うとき、肌表面はお湯で角質がふやけていてとてもデリケートな状態なので、ボディソープはたっぷりの泡を使って肌を手でなでるように洗ってください。ただ、表面についたホコリや日常の汚れはお湯で流すだけでも十分落とせるので、皮脂の少ない腕や足は毎日ボディソープであらう必要はありません。胸や背中など皮脂の多く気になる部分はボディソープで、皮脂の少ない部分はお湯でサッと流すなど、肌の調子を見ながら部位ごとに加減していくことも必要です。毎日、ナイロンタオルなどの固いものでゴシゴシ洗っていると、その摩擦が刺激となり乾燥や色素沈着につながりやすいので要注意です。

そしてうるおい美肌にとってもっとも重要なのが、お風呂から出たら5分以内に保湿ケアをすることですね。お風呂上り直後はどうしても水分の蒸発とともに、肌のうるおい成分も蒸発しやすくなっているので、何もしないでおくと乾燥がどんどんすすんでしまいます。

私のおすすめは、まだ全身に水分が残っている状態で、美容オイルをサッと手早く全身に塗り広げるケア。全身、しっとり&もっちりとした肌をキープすることができます。

【肌を乾燥させない入浴のポイント】
・お湯の温度は39~40℃
・湯船に入る1回の時間は3分。これを3回程度
・保湿効果のある入浴剤を入れる
・毎日、石けんを使って洗う必要はない
・ゴシゴシ洗いは絶対にNG。石けんを使う場合は、たっぷりの泡でなで洗いを
・お風呂から出たら、5分以内に保湿ケア

定期的にかかと、ひじ、ひざのパーツケアを

そして、入浴時に忘れずにケアしたいのが、かかとやひじ、ひざなどのパーツです。ここが黒ずんだり硬くなってしまうのは、常に摩擦や圧力が加わるために色素沈着がおこったり、古くなった角質が溜まったりするのが原因です。

特に足の裏は常に体重がかかる部分なので、衝撃や摩擦から肌を守るために角質が厚くなっていきます。放っておくと、角質肥厚がすすんで表面がザラザラになり、ストッキングにひっかかったり、ひどくなるとひび割れて痛むことも。角質は死んだ細胞なので、厚くなった部分はやさしく取り除いていくことが必要です。

こういった角質を取るために、軽石などでこする人もいますが、つい力を入れてしまい、余計に肌を傷つけてしまうこともあるのでおすすめしませんし、すぐにまた厚くなってしまいます。それよりも、湯船につかり固くなった角質をやわらかくしたら、その後、ボディソープを塗って手のひらでマッサージしながらやさしくこすります。そして、お風呂から出たら、5分以内に美容オイルを塗り、シルクか綿の靴下で保護しましょう。驚くほど肌がやわらかくなりますよ。

角質は、溜まってしまってから一気にケアするのではなく、週に1~2回のケアで角質をためないケアを心がけることです。さらに日常の中でも、机にひじをつけてほおづえをついたり、ひざをたてたり、底が薄くてかたい靴を履いたりしないなど、ふだんの生活も見直してみましょう。そんなケアを長年続けているおかげで、私のひじやじざ、かかとは黒ずみもなくいつもつるつるなんですよ。

画像2お風呂上りは5分以内に保湿ケア。特にかかと、ひざ、ひじなどのパーツは油分の含まれたものでしっかり保湿しましょう

冬の乾燥するデコルテケアも忘れずに

また、冬はマフラーやタートルネックで隠してしまいがちなデコルテ部分も、この時期は乾燥しやすくシワっぽく、くすんできますので、きちんとケアをしてあげましょう。

お風呂で顔を洗う時は、そのまま洗顔料をデコルテまで広げて、やさしくなで洗いを。その後、肌に伸ばすだけでポカポカするマスクを、顔からデコルテにかけて塗り、しばらくしたら顔のすすぎと一緒に洗い流します。温感パックとマッサージの両方の効果が得られ、冷えで滞りがちな〝巡り〟を促し、血色のよい明るい肌へとサポートします。

お風呂上りには5分以内に保湿ケア。デコルテ部分にも、顔に使っているエイジングケア成分や保湿成分を含んだものを使用してあげるとさらにいいですね。デコルテの明るさがよみがえると、レフ版効果で顔の色つやまでも美しく見せることができます。

freesia 画像3洗顔した後の肌に透明ジェルをマッサージするようにして塗ると温熱効果でホカホカ。スクワラン、コメ発酵エキスなど美肌成分配合。洗い流した後はやわらかで、つるすべの肌に。顔はもちろん、乾燥、くすみが気になるデコルテ、かかと、ひじ、ひざにも。(ハーバー ツーウェイジェル/ハーバー研究所)

冬の間にていねいなケアを続けて、春になったら躊躇なく肌を出せるように準備しましょう。自分では見えにくく気づきにくい部分は、姿見で確認したり、家族にチェックしてもらうのもいいかもしれません。見えない細部にまで美しさが宿れば、何が起きても怖くありません。女性の真の自信は、実はそんなところから生まれるような気がします。