「とびきりいい靴を履くの。いい靴を履いていると、その靴がいい所へ連れていってくれる」とは、漫画『花より男子』の言葉ですが、フランスの格言でもあります。私は靴を選ぶとき、この言葉を思い出します。私にとって、いい靴とは高い靴ではなく、足を美しくみせる、綺麗に歩くことのできる靴です。

「足に合った靴を履いている足は歳をとらない。足は若さと美しさを保つ」とはサルバトーレ・フェラガモの言葉ですが、彼は顧客の足に触れただけでその人の体調がわかるほどだったという逸話もあります。確かに、東洋医学でも足の裏は第二の心臓と呼ばれているので、そう考えると、思わず納得してします。

「その人が履いている靴は、その人の人格を表すものである」というイタリアの諺もあります。私はこれは手入れの行き届いた靴をはくこと、すなわち、つま先まで含めた全身の心配りができている、という意味で、重要だと思っています。

「ホテルマンはゲストの靴と時計をみる」とよく言われますが、これは高い靴をはいているかどうかというよりも、靴がきちんと手入れされているかどうかで、その人物が信用できるかを判断するということです。

靴はきちんと手入れをすることがとても大切です。そして、使いこむことでより美しくなっていく素材ということで、値段は安くても革製品を選ぶことをオススメします。

さて、今シーズンのトレンドとして気になるのは、下の写真のようなチャンキーヒールと言われる通常よりも少し太めのヒールタイプ。ヒールが太いので安定感があり、歩きやすいのはもちろん、足下にボリューム感がでるため、足を細く見せてくれる効果もあります。

それから、写真のようなフリンジがついているボヘミアン調のタイプ。フリンジはバッグのトレンドとしても気になるアイテムです。バッグか靴どちらかに取り入れてみてもいいかもしれません。

あまりカジュアルな靴は仕事には履いて行きづらいという方には、下の写真のようなポインテッドトゥをオススメします。ここ最近久しぶりに復活して注目を集めている先がとがったデザインのポインテッドトゥは、足をとても綺麗にみせてくれます。定番の黒はもちろん、赤やブルーなど、少し綺麗な色を足すと、いつものスタイルもより華やかに決まります。

今シーズンのトレンドの靴だけでなく、定番の靴も改めてお手入れする。そういった、自分で自分に手をかけてあげるという姿勢が、気持ちを引き締め、背筋を伸ばすきっかけになると思います。すっかり秋になった今、自分のお気に入りの靴、通勤用の靴を、改めて見直してみませんか？

あなたの大事な靴が、あなたを素敵な場所に連れて行ってくれますように！