freesiaの旅コラムでもお馴染みのトラベル·ジャーナリストの寺田直子さんが、とても素敵な本を上梓されました。『フランスの美しい村を歩く』は、寺田さんが1年以上かけて歩いた30の村々を紹介するもの。村の成り立ちや見どころ、土地の食事やワイン、村での暮らしを楽しんでいる人々と過ごした時間など、旅の魅力を知り尽くしている著者が、ひとりの旅人としての視点で見た情景が、感性豊かな文章で綴られています。

フランスには、「フランスの最も美しい村 “Les Plus Beaux Villages de France” 」という団体があり厳しい基準をクリアした155の村が加盟しているそうです。この本で紹介されているのは、この団体に加盟する23の村と、著者が個人的に魅力を感じた６つの村、そして環境整備が整い神秘性を増したモンサンミッシェル。フランスには本当に素敵な田舎の村がいっぱいあるということを、この本で知ることができます。

たとえば、聖フォアの逸話が残るフランスを代表する聖地「コンク」、花に囲まれたアルザスワイン発祥の地「エギスハイム」、映画『レ・ミゼラブル』のロケ地を訪ねる「グルドン」、プロヴァンスを代表する天空の村「ゴルド」、ガトー・バスクの甘い匂いが漂う山岳の村「サール」、　春、ホワイトアスパラの口福な思い出「フィジャック」、アニスとショコラの香る村「フラヴィニー・シュル・オズラン」などなど、目次に目を通しただけでも、気分が上がってきます。

紹介されている村はフランス全土に点在し、地方の小さい村ゆえ、レンタカーを借りて訪れるのがベストだそうですが、電車やバスなどを使ったアクセスも情報として盛り込まれています。パリにはよく行くけど、田舎にはまだ行ったことがないという人には、是非読んでいただきたい内容。また、ヨーロッパの田舎が大好き！という方。次回の旅は、この本を片手にフランスの小さな村をめぐってみてはいかがでしょうか？