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Career Up
2016-11-04
新しい自分に出会う
#06 歩くことで人生を変える!ウォーキングの魅力を世界へ

freesiaは「やりたいこと」に向かって邁進している人、独立したり起業するなどして目標を実現している人を応援しています。そこで、さまざまなジャンルで活躍する女性のケーススタディをご紹介。同じように「何かをしたい!」と思っている人へのヒントになるといいなと思っています。今回ご紹介するのは、自ら会社を設立し、各方面で“ポスチュア(姿勢)ウォーキング”を指導している我妻啓子さん。ポスチュアスタイリストとして、歩く姿勢の美しさだけでなく、歩くことと心身のバランスの密接な関係を多くの人に伝えています。歩き方ひとつで人生が変わる、自らそんな体験を経てきた我妻さんの言葉には、とても説得力があります。

1ポスチュアウォーキングは、医療・スポーツ関係者からも注目されている、エビデンスのしっかりとしたウォーキングメソッド。姿勢改善を行いながら、全身の筋肉や関節をバランス良く使えるよう指導することで、痛みの改善、ダイエット、アンチエイジングなど、様々な面で効果が表れているそうです。
●今のお仕事の内容は?

日常の姿勢・歩き方を美しくする「ポスチュアウォーキング®」の指導をする「ポスチュアスタイリスト®」として活動しています。横浜と札幌で定期レッスンを開催しているほか、専門学校や大学での授業を担当。企業・行政からの依頼講座も多数行っています。またウォーキング指導者の育成やウォーキングイベントを主催するなど、ヘルスケアを中心とした事業を展開しています。

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スタジオレッスンだけではなく、企業や自治体などに出向いて社員の健康管理のためのウォーキングのクラスを行なうことも。
●このお仕事を始めるまでの経緯は?

20代、30代と広告業界でデザインや企画・営業を担当していて、32歳の時に印刷関連の仕事で起業しました。でも、パソコンの普及で印刷業界も価格競争が激化するなど変化が激しく、ずっとやっていく仕事ではないと思っていました。それで、もともと東洋医学に興味があったので、38歳から仕事の傍ら東洋医学や解剖生理学を学ぶ学校に通い始めました。心理学なども学んだのですが、勉強すればするほど奥が深くて、次第にこれをちゃんと仕事にできるのかと不安になってきたんです。それで卒業を目前にうつ病になってしまいました。突然心も身体も動かなくなって、最初は一カ月寝たきりになって、死にたいなあと思うこともあったんです。その時に、「あれ?自分はそんなこと考える人じゃなかった。あ、これがうつ病なんだ」って気づいたんです。本当は薬を使ったほうが楽だったかもしれない。けれど東洋医学を学んでいたので、自分自身で自然に治すことが私の使命なのかも、と思いました。それで「歩くことは心に良い」という知識があったので歩いてみたんです。家でじっとしていると、これから先の人生どうすればいいのかって漠然と不安がわき起こって、ネガティブなことしか考えられない。もがいてしまう。ても歩いてる時って不思議とネガティブな気持ちが消えて、希望が持てて元気になってくるんですよね。その感覚を自分自身で体感しました。それで薬を使わずにうつ病を克服したんです。

4心が病んでいる時は、心を守ろうとして身体もカチカチに固くなってしまいます。我妻さんは、うつ病の時に、知り合いの整体の先生に身体をほぐしてもらうと、心もほぐれてくるのを感じて、心と身体が一体だということを心底実感したそうです。それがポスチュアウォーキングとの出会いにつながっていきます。

その経験から、東洋医学の学校を卒業した時に、「歩くこと」をもっとちゃんと学びたいと思いました。その時に、現在の師匠であるKIMIKOのレッスンに通うようになりました。最初は、単純に歩き方を学びたいと思っていたんですが、師匠は“歩くと心が元気になる”と教えていた。「あ、私のやりたいのはまさにこれだ!」って、その時は魂が震える思いでした。運よく、ちょうど師匠が弟子をとろうとしていた時期で、2006年10月、私はポスチュアスタイリスト1期生となって活動を開始することになったのです。最初は他の仕事をしながらでしたが、3年目からはポスチュアスタイリスト一本でやっていけるようになりました。1期生として活動を始めてから、今年でちょうど10年になります。これまではずっと個人でやっていましたが、昨年末、株式会社WALK&WALKを立ち上げ、現在は法人のとして、より幅広い活動をしています。

5我妻さんは「人材教育・ストレスマネジメント・健康維持の一石三鳥」をテーマに、医師や産業カウンセラーと提携した健康管理や、健康マネジメントに関する企業研修、セミナーなども積極的に行っています。
●このお仕事において常に心掛けていることは?

受講してくださる方それぞれが、ポスチュアウォーキングの美しい姿勢と歩き方を身につけることによって、未来に希望が持てるようにナビゲートしています。またおひとりおひとりの体の使い方、使い癖を見極め、的確なアドバイスができるよう心がけています。

●今一番楽しいことは?

レッスンにいらしている生徒さまの変化です。「レッスンに通うようになって毎日が楽しくなり落ち込まなくなった」「カラダの痛みがなくなった」「痩せてキレイになり自分に自信が持てるようになった」「新たな事にチャレンジし世界が広がった」などなど、嬉しい報告を聞くのが一番の喜びです。ウォーキングがセラピーと根本的に違うのは、医者やセラピストに依存するのではなく、ご本人が自分自身の足で歩く点。そこが最大のメリットだと思います。東洋医学を勉強していた時は、ワーキングマザーの助けになりたいと思っていました。でも、結局は皆さんが自分で動かないと意味がない。ウォーキングは日常生活そのものがエクササイズになるところが魅力。これこそ、まさに私がやりたかったことだと実感しています。

6歩くことは脳内ホルモン「セロトニン」の分泌を促し、美肌、ダイエット、アンチエイジングなどにも効果があるとのこと。我妻さんのレッスンを受けることで、「歩いて人生を変える」という言葉が決して大袈裟ではないということを、多くの人が実感しています。基本のマスターコースレッスンは90分のクラスが6回。単発クラスは120分。一クラスの生徒数は10名前後。
●これからの目標は?

美しい姿勢、美しい歩き方は身体と心の健康に大きく作用することを広めていきたいです。また一生自分の足で歩ける体づくりをサポートすると共に、地域の活性化にもつながるウォーキングイベントや、ウェルネスツーリズムなどの企画・運営なども積極的に行ってまいります。今も横浜で「満月ウォーキング」などのチャリティイベントを行っています。これをきっかけにポスチュアウォーキングについて知ってくださる方もいます。ウォーキングで日本を!世界を!平和で穏やかなやさしい社会へと導いて行くのが目標です。

7美しい姿勢を保ちながら歩くと、体の筋肉がバランスよく鍛えられます。猫背の子どもがいないことからわかるように、もともとの生まれ持った身体に戻すのがポスチュアウォーキング。余計な筋肉のクセを取り、本来の骨格で立ち、正しい姿勢で歩くことで、驚くほど身体が変わってくると、我妻さんは教えてくれます。
●freesia読者へのメッセージ

受講生から「恋人が出来た!」「結婚が決まった!」「赤ちゃんが出来た!」など嬉しい報告が続々届きます。姿勢と歩き方を美しくすると人生がより良い方向に進んで行きます。それは人生を歩む姿勢とカラダの姿勢は同じだから。人生は姿勢で決まる!と言っても過言ではありません。

実際に私自身ポスチュアウォーキングに出会った40歳から人生が劇的に変わりました。それまでは自分が人前に出て話をするなんて考えられませんでした。また「自分=美しい」と思った事など一度もありません。ポスチュアウォーキングに出会い、自分の人生を自分の足で歩く事に真剣に向き合い歩み続けているうちに、日々の意識がかわり、外見が大きく変わりました。そのおかげで仕事に恵まれ、会社を起こすことも出来ました。自分に無い物に意識を向けて、落ち込んだり悩んだりするのではなく、自分自身を大切に丁寧に扱うと、自分本来の力が出てきます。姿勢や歩き方を美しく整えて、自信を持ってご自身の人生を歩んでいただきたいです。

8我妻さんのレッスンには高齢者向けのプラチナクラスもあり、レギュラークラスの最高齢は85歳。これまでレッスンを受けた最高齢は98歳!「100歳まで自分の足できれいに歩く」というのは、我妻さん自身の目標でもあるそうです。
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我妻啓子 Keiko Wagatsuma

ポスチュアスタイリスト。1964年横浜生まれ。デザイン専門学校を卒業後、デザイナー・プランナーとして働き、27歳で結婚。28歳でワーキングマザーとなる。20~30代は子育てをしつつ広告業界でキャリアを積み、38歳から東洋医学・解剖生理学を学び、整体師の資格を取得。2006年ポスチュアスタイリスト養成コースを経てポスチュアスタイリスト1期生としてウォーキング講師の活動を始める。その後は横浜を中心に東京・札幌でレッスンを開催。また企業・PTA・地域事業の講師や高齢者に向けた介護予防レッスンなど出張セミナーも行っている。2009年4月からホスピタリティツーリズム専門学校ブライダル科にて美しい姿勢と歩き方を中心とした授業「セルフプロデュース演習」を担当。2013年4月より新設の東京ブライダル専門学校で授業を担当。2015年12月に株式会社WALK&WALKを設立。
●WALK&WALK
http://walkwalk.co.jp/