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Natural Spot
2016-06-30
自然とともに暮らす
西大后が愛した美と健康と長寿のレシピを、銀座にて堪能

本店は北京にある『厲家菜(れいかさい)』は、おととしまで六本木ヒルズに店を構えており、2008年には数ある中華料理店の中では初となる、ミシュラン2つ星を獲得した名店。この度、約2年間の充電期間を経て、銀座にて装い新たに中国最高峰の美食を提供してくれることとなりました。

『厲家菜』とは「厲(レイ)家の料理という意味で、このファミリー秘伝のレシピが人気の秘密。ではその厲家の料理とは、どんなものなのでしょうか?

1左上:厲家菜の代表作「翡翠豆腐」/初代厲子嘉が、西太后が大好きな翡翠を取り入れて発案した料理。そら豆と帆立の甘い香りが食欲をそそります。右上:北京名菜「麻豆腐」/西太后のお気に入りの一品。緑豆をペースト状にし北京で発酵させ日本で熟成。豚挽肉と炒め合せコクを出しています。
左下:包丁技が冴える逸品「セロリの蛯子酢和え」/茎の中で食感の優れた一部だけで仕上げます。蛯子と酸味のあるソースで和えることで、血液をきれいにする効果があるそう。右下:海老の錦糸玉子巻き揚げ「京劇太鼓仕立て」/海老に薄く焼いた玉子を巻き、衣をつけて揚げたもの。軟らかな卵と海老のプリッとした食感の対比が楽しめます。

1984年、文化大革命で崩壊してしまった古き良き中国料理を再興する目的で開かれたコンクールで、見事優勝したのがこの厲家の次女、厲莉(リー・リー)さんでした。実は、厲莉さんの父、厲善麟(リー・シャンリン)さんの祖父は、清朝皇帝や西大后の食事を監督する官僚だった人物。その祖父から受け継いだ、厲家のみが管理する門外不出のレシピを忠実に再現することで、清朝皇帝や、美と健康と長寿を生涯追い求めた西大后に提供された料理が、現代に甦ったのです。

上記のコンクールをきっかけに、この一家は力をあわせて『厲家菜』を1985年5月に開業。厲家3代目の父を継いで。現在は長女の厲愛茵(リー・アイイン)さんが4代目に就任し、姉妹3人でレストランを管理しています。

2左上:厲家秘伝子孫繁栄「帆立と青梗菜の長寿揚げ」/中国語で子孫繁栄を願う”帯子”と書く帆立で、首の長い鶴を表現。青梗菜は雲南省の樹齢6千年の松の木を見立てたもの。右上:厲家名菜「豚肉と白菜の煮込み」/西太后が好んだ滋味深い味わい。上質なコラーゲンを含む皮付き豚バラ肉と、コラーゲン生成を助ける白菜のスープを合わせています。
左下:厲家スタイル「フカヒレの蒸し煮」/最高級のフカヒレの最も繊維の太い部分だけを一本一本ほぐし、脂肪などの余計なものを除き時間をかけて丁寧に戻してます。右下:「厳選スペアリブのコラーゲン甘酢味」/豚肉の余分な脂をおとし、上質なコラーゲンを残した料理。美肌や美髪、疲労回復に効果があります。

かつて西大后には126名もの料理人が仕えていたといわれています。その厳しい要求に答えるべく、料理人たちは健康的な食材を駆使し、毎日食べても飽きない数々の料理を考案しました。厲善麟さんよって再現されたそれら料理が、厲愛茵さんに受け継がれているのです。

素材を厳選し、火加減や調理·調味のタイミング、また五味(甘味·酸味·辛味·苦味·塩味)の調和に細心の注意を払い、奥行きのある味わいを実現する。それは、初代の料理に対する姿勢を受け継いだものでもあります。

3左上:乾隆帝お気に入り「鴨と海老の擂り身揚げ」/清朝6代皇帝乾隆帝は毎日、鴨肉と豆腐を食べ、平均寿命40歳の時代に89歳まで生きました。右上:歴代皇帝最愛の「鮑のミルク煮」/鮑は滋養強壮・美容効果・目の酷使、疲労回復に効果があるとされ、歴代皇帝に珍重されてきました。新鮮な天然鮑を牛乳で煮込んだ逸品です。
左下:宮廷スタイル「雪蛙(ハスモ)の茶碗蒸し」/ハスモは“燕の巣”と並び、各種アミノ酸、コラーゲンなどが豊富な希少な食材。高山に住む蛙の卵管、卵巣の周りの脂肪を乾燥させたもの。美肌・美容、滋養強壮にも効果あり。右下:厲家秘伝「鱈のスパイス揚げ」/北京で魚料理といえば川魚。厲家秘伝のソースレシピで揚げた鱈をスパイシーな醤油味に仕上げています。

『厲家菜』の料理は、食品添加物を一切使用せず、素材の持ち味を存分に引き出す医食同源の発想を根源としています。それゆえ、それぞれの料理に美容や健康に効果がある要素が含まれているのが、女性にとっては魅力的。

特徴のひとつである彩り豊かな前菜は、基本五味と、季節を感じる食材の酸性、アルカリ性をバランスよく組み合わせることで構成されたもの。どこかホッとするような味わいが、身体に優しい印象を残してくれます。それが開店以来30余年、世界中の美食家たちにも愛され続けている所以なのです。

4銀座の東京店オープニングでは、自ら厨房に入り腕をふるっていた厲愛茵さん。厲家に伝わる秘伝のレシピを、ここで存分に堪能できます。

1985年、北京の紫禁城の裏手の路地にある自宅を改造し、1日1組のみの予約で始まった『厲家菜』。その本店が手掛ける唯一の海外直営店として本場と同じ味を提供する東京店は、山水画の風景を思わせるようなプライバシーを配慮したユニークなソファのデザイン、半透明のカーテンで仕切られた空間など、しっとりと優しいイメージのインテリア。接待やデート、また女子会などにも重宝しそうです。

5シンプルで上品なテイストをベースにユニークなソファが映える、ふんわりと柔らかい雰囲気の店内。4名から8名の個室も用意されています。

●中国府邸菜『厲家菜』東京店
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル9階 電話03-6228-6768
ランチ11:30~15:00(L.O.14:00) ディナー18:00~23:00(L.O.21:00) 日曜定休
JR有楽町駅京橋口徒歩6分、地下鉄京橋駅3番出口徒歩5分
地下鉄銀座駅A9出口徒歩5分、地下鉄銀座一丁目駅7番出口徒歩1分
http://www.reikasai.jp/