廣森知恵子のビューティトーク
2015-06-08
#02〝なんとなくだるい〟の解消法

初夏を感じさせる明るい陽射しは人をウキウキした気分にさせますが、そんな季節とは裏腹に、なんとなく気分が落ち込む、疲れやすい、何事にも集中できない、眠れない……、などと感じていませんか? 新しい季節が始まり、仕事や学校、転居などで自分自身の環境が変わり、または家族の環境の変化に影響され、気がつがない間に疲労と緊張感が溜まってしまう、ということが多々あります。それがいつまでも解消されずある程度進行すると、食欲不振や胃痛、めまい、動悸など一般的に「五月病」と呼ばれる肉体的な症状が表れるように。五月病はGWが過ぎた頃から起こりやすく、1~2カ月もして自然に環境に自分を慣らしていくことができれば、徐々に解消されるとも言われています。一方、いつまでも変化した環境に慣らすことができず、ストレスや疲労を感じたままでいると6月、7月以降もそれが続き慢性的になる恐れも。現在もまだ「なんとなくだるさが抜けない」、「いつもの自分に戻れていない」、そう感じる人はすぐに予防をはじめましょう。

「コミュニケーション」で気分転換を

真面目な人、責任感がある人、ガマンしてしまう人は、自分の弱さを他人に見せることができず、悩みを一人で抱え込んでしまう傾向にあるのでは……。そんな時はもんもんと考え込まず、まずはその場所から一旦離れてみるのがおすすめです。〝同じ場所にいない〟それだけでも良い気分転換になります。通勤はあえていつもと違う道を通ってみる、ランチやお茶をするお店を変えてみるだけで普段とは違う発見があるかもしれません。それに、仕事を切り上げて同僚と飲みに行って、会話に「ワハハッ」と思いっきり笑う、なども大切なコミュニケーションであり、ストレス解消になります。他人と話すことをおっくうがらずに、悩みを分かち合うことで自分が限界だと感じていたキャパシティが広がるのを実感できるはずです。

「食事」を見直して健全な身体を育む

一見、問題解決から遠いように思えるかもしれませんが、人は自分が食べたものでできているので、どんなものを食べるかはとても重要です。例えば、脳内にある感情をコントロールする通称幸せホルモン「セロトニン」は、動物性タンパク質を原料に合成されるんだとか。地方から出て来て一人暮らしを始めたばかりの人や、忙しくて朝食を抜いてしまう人は、まずそこから改善したいものです。

人間に必要な三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)はしっかり摂りながら、「旬の野菜を積極的に食べる」ことをおすすめします。特に若い人は野菜不足になりがち。旬の食材は栄養価が高く、またそれ自体の味が濃いので、少しの調味料でおいしく食べることができます。私が良く作るのは野菜をまるごとコンソメでコトコト煮込むというシンプルな料理です。簡単なのに美味しく栄養素もしっかり摂れ、しかもとても良い気分転換になりますよ。

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旬の野菜を積極的に摂りましょう。例えば、春は春キャベツ、新玉ねぎ、アスパラ、夏はトマトやかぼちゃなど。旬の野菜は栄養素が豊富です。

また、お昼がコンビニのお弁当やおにぎりだとしても、そこにインスタントのお味噌汁をプラスするだけでも栄養のバランスが良くなります。私はお味噌汁にトマトケチャップを小豆1粒大ほど入れていますが、旨み成分のグルタミン酸によってコクが出てとてもおいしいのでぜひ、やってみてください。トマトケチャップは栄養素が凝縮されているので、生食用のトマトと比較してもリコピンが2~3倍も含まれています。栄養面でもバッチリですね。サプリメントや栄養ドリンクも良いですが、あくまでも必要な栄養素は食事から摂り、足りない部分を補う程度と考えて。

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毎日のお味噌汁にトマトケチャップを小豆1粒分ほど入れると、コクが出てリコピンなどの栄養素もプラスされます。

自分なりの「ストレス解消法」を見つける

映画を見る、料理をする、アロマをたく、音楽を聞く、ヨガをするなどいろいろありますが、何をしている時が一番リラックスできるのかは人それぞれです。人はリラックスしている時に前述した幸せホルモン、「セロトニン」も分泌されやすくなるので、ぜひ自分の好きな時間を大切にしてください。お金をかけなくても、家で一人ファッションショーをしてみたり、お花屋さんの店頭に並ぶお花の色を楽しんだり、その香りを嗅ぐだけでもリフレッシュになるものです。私の場合は、映画を見たり、ビャクダンの香りを嗅いだり、音楽を聞いたりするのが好きですが、ファッションも大好き。何かを買いたい衝動にかられた時は、一足500円くらいのストッキングを2足買うようにしています。買いたい、という衝動はたった1000円程度で収まりますし、ストッキングはいくつあってもムダになりません(笑)。

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お花屋さんの前で少し立ち止まってみて。鮮やかな色や自然の香りを感じるだけでもリラックスできそうです。

「適度な日光浴」もおすすめです

「この季節に日光浴? 紫外線が怖い」と思う方もいるかと思いますが、紫外線は悪いことばかりではありません。紫外線を浴びると幸せホルモン「セロトニン」の分泌が増えることが分かっています。また丈夫な骨や歯を作り、新陳代謝を上げ、健康な体には欠かせないビタミンDの生成にも役立ちます。ビタミンDは新しい肌細胞を作ってくれるので、美肌にも効果的なんですよ。とはいえ、この季節の直射日光はとても強いので、直に浴びるのは避けてくださいね。必ず顔や首には日やけ止めを塗ってケア、木漏れ日が入るところやちょっとした日陰を探し、1日15分~30分程度で十分です。太陽からのパワーを注入したようで、不思議と気持ちが元気になるのを感じるはずです。

そして、最後に大切なのが「質の良い睡眠」。健やかな精神を育むためだけでなく、美容にも欠かせない要素である「睡眠」については、次回で詳しくご説明しますね。(文=土屋綾子 写真=滋野由美)