healthyfood
2016-10-13
身体に優しい薬膳レシピ byちづかみゆき
#19 潤いや元気を補う旬の食材で彩る秋の行楽弁当

今年は10月に入っても数えるほどしか晴れの日がありませんが、さすがにそろそろ気持ちの良い秋晴れも続きそうですね。待ちに待った行楽シーズンの到来ということで、今回と次回の2回はお弁当を。それぞれおかずを2種類ご紹介します。行楽のお供にしていただいても結構ですし、もちろん、日々のお弁当にも使っていただけるレシピです。

秋といえば乾燥が始まるシーズン。乾燥によって傷めやすい臓器は、気管支などの呼吸器を含めた“肺”です。台風や秋雨前線が影響した天候不順でずっと湿度も高めでしたが、私も時々空咳が出たりしていました。気温の変化で咳が出る人もいらっしゃいますね。秋の食養生は乾燥でダメージを受けやすい肺やカラダ全体を潤わせることがメインになります。また少しずつ寒くなっていくにつれて気血の巡りが悪くなっていきます。そこで気や血の巡りをよくすることも必要。他に元気を補うものや胃腸の働きをアップさせるものを加えてお弁当全体を詰めてみました。

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まず1品目のおかずは「蕪とドライアプリコットのサラダ」。シンプルなドレッシングでマリネしていますので、多めに仕込めば作り置きできます。3日ほど経って酸味が飛んでいるようなら、少しビネガーを振っていただければ大丈夫。アプリコットが馴染んで変化した味も美味しいです。蕪は消化を促し、食欲増進にも良い食材ですが、カラダを潤し、咳止め作用もあり、気も巡らせるので、旬でもあるこの時期にはぜひ摂っていただきたい食材です。そこに肺を潤し、咳止め効果もあるアプリコットをあわせました。たくさん作って常備菜として活用していただくのもよいですね。

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2品目は「スパイシーチキンボール」。パクチーやカレー粉を使った、エスニックな鶏だんごです。お弁当には挽き肉を使ったおだんご系のおかずも人気ですよね。前日に種を作っておいて朝焼いていただいても、小さめなので焼き上がりまで時間を取らせません。その場合は朝起きたらすぐに冷蔵庫から出して室温に戻してくださいね。巡りを意識したしょうがとパクチーがたっぷり、カレー粉でさらに巡らせます。

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他には味や色合い、食材のバランスを考えて焼き鮭や、かぼちゃの煮物などを詰めました。鮭は元気を補って気血を巡らせ、かぼちゃは元気を補いますが胃腸の働きにもよい食材です。もうひとつ、グリーンのおかずは春菊のなめたけ和え。私はなめたけも自分で作ってしまいますが、忙しい朝には手軽に市販の瓶詰を使って和えていただいてもよいです。これから冬にむけて美味しくなる春菊も肺を潤わせる食材です。

蕪とドライアプリコットのサラダ

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材料(作りやすい分量)

 蕪  2個
 ドライアプリコット 3個
 イタリアンパセリ  適量
 粗びきこしょう  少々
 A
 塩  ひとつまみ
 こしょう  少々
 ワインビネガー  大さじ1
 EVオリーブオイル  大さじ1

作り方

① ドライアプリコットは4等分に切る。イタリアンパセリは粗く刻む。Aを合わせてドレッシングを作る。
② 蕪は放射状に皮をむき、8等分のくし切りにする。さっと水で濡らして耐熱容器に入れ、ラップをかけて500wの電子レンジで1分加熱し、①のドレッシングでマリネする。
③ ②が冷めたらアプリコット、イタリアンパセリを加えて混ぜ合わせる。粗びき黒こしょうをふる。

スパイシーチキンボール

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材料(小さめの俵型6個分)

 鶏挽き肉  150g
 EVオリーブオイル  大さじ1/2
 A
 香菜(みじん切り)  大さじ1.5(1株分くらい)
 しょうが(  〃  )  大さじ1.5
 にんにく(  〃  )  小さじ1/2
 カレー粉  小さじ1/2
 塩  小さじ1/2弱
 こしょう  少々(多めに)

作り方

① 鶏挽き肉をボウルに入れ、Aを加えてよく練り合わせ、時間があればラップで密閉して数時間寝かせる。
② 6等分して小さめの俵型に成型し、EVオリーブオイルを入れて熱したフライパンでこんがりと焼きあげる。