ようやく朝晩過ごしやすくなり、空気にも秋の気配を感じるようになってきました。今回は、秋が旬のさつまいもを使った『レモンジンジャー スイートポテト』と、まったりとした食感が秋らしい『甘酒ゼリー アプリコットソース』のスイーツ2種をご紹介します。
暦の上ではずいぶん前から秋ですが、つい最近まで昼間は30度を超えていましたし、夏の疲れを引きずっているかたも多いのではないかと思います。疲れ=気(エネルギー)が足りない状態には気を補うものを摂ればよいのですが、夏の疲れは胃腸にも及んでいるはず。特に台風の影響で湿度が高い日も多かったので、湿度が苦手な胃腸はそのせいで不調をきたしているかもしれません。気を補うだけでなく、胃腸のケアも大切です。
1品目の『レモンジンジャー スイートポテト』に使用するさつまいもは、元気を補い、さらに胃腸の働きをアップする優れもの。旬のパワーをただきましょう。スイートポテトというと少し重たいイメージですが、バターの代わりに太白ゴマ油を使い、レモンの風味を効かせれば、さっぱりといただけます。また温め食材の黒砂糖やしょうがを使っていますので、寒い季節も楽しんでいただけます。
2品目の『甘酒ゼリー アプリコットソース』のメインとなる甘酒は、昔から夏バテ防止に飲まれてきた気を補う食材。中医学では血行不良もシミの原因の一つとして考えますが、甘酒は血行促進作用もあるので日焼け後のシミ予防にも効果的です。
このところの台風や秋雨前線が活発な間は湿度に悩まされますが、それが過ぎて秋本番になると気になってくるのが空気の乾燥。乾燥に弱い臓器は肺です。現代医学でいう肺だけでなく、のどや気管支などの呼吸器、また皮膚、粘膜、鼻にも関係する臓器です。空咳が出るようになると、すでに肺が乾燥のダメージを受けている証拠。そこで肺を潤すソースを添えました。フルーツには肺を潤すものが多いのですが、色合いも美しく、手軽に作れるものとしてアプリコット(ジャム)を選びました。
もう少しすると柿もでてきますので、よく熟した柿をすりおろし、このレシピと同じようにレモンを加えてソースにして添えても、美味しくて色合いもきれいなデザートになります。もちろん柿も肺を潤します。フルーツ以外には長芋、百合根、クレソン、春菊、れんこん、白きくらげや、アーモンド、松の実、ピーナツなどのナッツ類、そしてはちみつなども肺を潤す効果があります。乾燥シーズンに入る前から少しずつ摂る習慣をつけておくと、ひいては肺と関係が深いお肌の乾燥予防にもなります。すっきりと気持ちの良い秋まではもう少しかかりそうですが、秋の食養生はぜひ今から始めてくださいね。(写真=安井真喜子)
レモンジンジャー スイートポテト
材料(作りやすい分量、小さめのココット約6個分)
さつまいも | 300~350g |
しょうが | しぼり汁大さじ1 |
レモン | しぼり汁大さじ1 |
白みそ | 大さじ1 |
黒砂糖 | 大さじ2 |
太白ごま油 | 大さじ1.5 |
ビスケット | 適宜 |
作り方
① さつまいもは厚めに皮をむき、厚さ1cmくらいの輪切りにして水にさらす。
② 鍋に①のさつまいもと水(交換して)をひたひた位に入れ、ふたをして火にかけ、沸いたら5~6分蒸し煮する。
③ ②のさつまいもが柔らかくなったら水気を切り、熱いうちに他の材料すべてとともにフードプロセッサにかけてなめらかにする。
④ ③を器に盛り、ビスケットを添える。
■フードプロセッサがない場合、裏ごしするかマッシャーでさつまいもを潰してから他の材料を加えてよく混ぜ合わせてください。
甘酒ゼリー アプリコットソース
材料2人分
板ゼラチン | 3g |
アプリコットジャム | 大さじ2 |
レモン汁 | 大さじ1 |
レモンの皮 | すりおろし少々 |
粗びき黒こしょう | 少々 |
A | |
甘酒(麹由来) | 150ml |
牛乳 | 50ml |
しょうが | 搾り汁 小さじ1/2 |
グラニュー糖 | 小さじ1 |
作り方
① 板ゼラチンは冷水でふやかす。アプリコットジャムにレモン汁を混ぜてソースを作る。
② 小なべにAを入れて火にかけ、ふつふつとしてきたら火から下ろし、①の板ゼラチンを加えて溶かしこむ。ボウルに移して冷やし固める。
③ ②が固まったら器に盛り、ソースをかけ、レモンの皮のすりおろし、粗びき黒こしょうを添える。