今年は桜の開花も例年に比べ、早くやってきそうですね。ファッションもコートを脱いで軽やかになってきますし、冬の間に溜めこんだ脂肪にはさよならしたい季節です。カラダもデトックスをしていこうとする時期なので、ダイエットを始めるのには春が一番適しています。そこで今回はダイエットをテーマにお届けしようと思います。
中医学ではカラダにたまった「痰」や「湿」を排出することを考えます。「痰」は余分な脂肪や老廃物、「湿」は代謝できなくなった水分のこと。それらの排出だけでなく、胃腸の調子を整えることや、加齢による肥満の場合は腎の働きを補うものも必要になります。またストレスなどによる気の滞りで、内臓機能がうまく働かずに胃腸にダメ―ジを与えている場合もあるので、気の巡りはいつも意識していたいものです。
ダイエットレシピとはいえ味気ないものはさみしいですし、見た目の満足感も欲しいですよね。1品目の『新玉ねぎと桜の蒸し煮』は、きれいなピンク色にウキウキするような桜の塩漬けを使った簡単お手軽レシピ。桜の塩漬けの塩分だけで蒸し煮をすると、旬の新玉ねぎは甘みがさらに増し、ほんのりとした桜の香りにも癒されます。玉ねぎは痰を取り除くほか、胃の機能を調整したり、気を巡らせる働きもあります。
『あさりとふき、厚揚げのにんにく醤油炒め』は、お肉の量を少なめに、厚揚げでボリュームアップしました。最近のふきはアクも少なく扱いやすいので、ぜひトライしてほしい食材です。面倒だと思われがちな食材ですが、痰を取り除き、胃を健やかにするうえ、解毒もしてくれるのでとても優秀。
私はふきの青っぽい爽やかな香りが大好きで、おだしで煮ることもありますが、鯛やトマトと一緒に洋風に仕上げたり、サラダに入れたりして楽しんでいます。同じく旬のあさりも痰を取り除く働きがあります。これからますます大きく美味しくなってきますので、いろいろなお料理に活用してください。ちなみに今回はサブ食材ではありますが、にんにくやレモンも痰を取り除く食材です。
薬膳ではカロリー計算の概念はありませんが、排出するものを食べる他、肥甘厚味と言われる、脂っこいもの、甘いもの、味の濃いものを避けると良いとされています。にんにくやレモンなども上手に使い、腹6分目でも満足できる美味しいお食事でダイエットできるのが理想ですね。(撮影=安井真喜子)
新玉ねぎと桜の蒸し煮
材料2人分
新玉ねぎ | 大1個 |
桜花の塩漬け | 5輪 |
水 | 大さじ2 |
作り方
① 新玉ねぎは6等分にくし切りにする。桜花の塩漬けはさっと洗って少し塩を落とす。
② 鍋に①の玉ねぎを入れ、桜花をのせ、水を注ぐ。蓋をして火にかけ、沸いたら少し火を弱め、8分ほど蒸し煮する。
あさりとふき、厚揚げのにんにく醤油炒め
材料2人分
あさり | 200g |
ふき | 200g(25cm×8~10本くらい) |
厚揚げ | 1/2丁 |
豚ひき肉 | 30g |
にんにく | みじん切り 小さじ1/2~1(お好みで) |
酒 | 大さじ2 |
EVオリーブオイル | 大さじ1/2 |
レモン | 1/4個 |
A | |
塩 | 少々 |
こしょう | 少々 |
しょうゆ | 小さじ1 |
作り方
① ふきは板ずりして熱湯で硬めに茹で、冷水にとって皮をむき、長さ4cmくらいの乱切りにする。厚揚げは油抜きして横半分に切ってから1cm幅に切る。
② フライパンににんにくとEVオリーブオイルを入れて熱し、香りがたってきたら豚ひき肉を加えて炒める。豚ひき肉に火が通ったらあさりと酒を加え、蓋をして蒸し焼きにする。
③ ②のあさりが開いたら①のふき、厚揚げを加え、Aを加えてさっと混ぜ合わせたら火からおろす。
④ ③を器に盛り、レモンを添える。