Shanghai:上海
2016-01-13
進化する上海のコーヒーシーン

特別な繁華街に住んでいるわけではないのですが、最近家の近所を歩いていると、コーヒーの専門店をいくつも見かけます。それも「精品珈琲(スペシャルティコーヒー)」を出すカフェやスタンド。つまりブレンドではなく、産地や品種の特徴を楽しめるシングルオリジンのコーヒーです。

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photo by Fumitaka Miyoshi

私が上海に来た2010年頃は、ローカルの店ではまだ粉のインスタントコーヒーが一般的でした。自宅で飲むための美味しいコーヒー豆が近所ではなかなか見つからず、日本から何袋も持ってきてはミルで挽いたものです。それが今では焙煎したてのエチオピアのイルガチェフ地区産や、コロンビア・ウイラ地区産のコーヒー豆も簡単に手に入るのだから驚きます。

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先日、「Buzz Time Coffee」という近くの精品珈琲店に立ち寄りました。一杯ずつハンドドリップで淹れるブラックコーヒーをウリにした小さなローカルカフェです。店長に話しかけてみると、「僕は以前、スターバックスで働いていたんです。中国ではスターバックスのカフェラテをきっかけに、コーヒーに興味を持つようになった人が多いんですよ」とのこと。

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中国にスターバックスが進出した1999年以来、経済が豊かになってライフスタイルが変化し、コーヒーの消費量も伸び続けています。店長によると、この数年が特に変革期だそう。「上海の人はとりわけ流行に敏感です。少し前まではカフェラテ一辺倒でしたが、この1,2年、ブラックコーヒーを好む人も急に増えています。質の高い生豆が輸入されるようになり、焙煎やドリップの技術も上がって味がよくなったことが大きいんです」と、語ります。

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photo by Fumitaka Miyoshi

コーヒーが飲める店もどんどん多様になっています。焼き立てのワッフルやクロワッサンと一緒にカプチーノを味わえるカフェ、ワインとコーヒーの店、デリバリーも行う店、フラットホワイトがメインのコーヒースタンドなど。外国人オーナーの店も少なくないですし、欧米や日本、オーストラリアのカフェの影響を受けた中国人のバリスタも増えています。旧フランス租界区にあるような洗練されたカフェでは一杯40元(約800円)以上するところもざらですが、それでも若い人に人気です。まさに、コーヒーブーム。

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インスタントコーヒーからカフェラテ、そしてシングルオリジンのブラックコーヒーへ。最近はコーヒーを飲むたびに、6年前との違いに感慨深い気持ちになる私。上海のコーヒーは、この街の情熱とエネルギーを抽出した飲み物のように思えるのです。

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