Shanghai:上海
2016-04-05
多国籍のアーティスト集団による新感覚アートを楽しむ

上海にはM50というギャラリーやアトリエが一堂に会するスポットがあります。週末になると多くの人で賑わう、上海随一のアートエリアです。そのM50にあるギャラリーのうち、私が最近気になっているのが「island6」。昨年たまたま訪れたのですが、独特のインパクトに惹きつけられ、先日も見に行ってきました。

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2006年に設立されたアート制作集団「Liu Dao六島」の作品を展示した空間です。同じスペースに彼らのアトリエも併設。映像、LED、絵画、アニメーション、音楽など、マルチメディアを駆使したインタラクティブな新感覚アートです。

たとえば、「Inherently Blue」という作品。竹の足場に囲まれた中国の青花文様の壺がアクリル絵画で描かれ、その足場に乗って壺に塗装する人物のアニメーションが映し出されます。

1.InherentlyBlue
1-2.ImageProxyInherently Blue/Liu Dao 六島

「The Up Down Blues」は中国の伝統工芸である切り絵細工がベースです。取り壊されていく古い建物を切り絵で表し、背後に高層ビルがLEDアニメーションで現れます。

2.TheUpDownBlues
2-2.ImageProxyThe Up Down Blues/Liu Dao 六島

また、タイトルに物理学者のフーコーの名前が入った「It’s not your Foucault」は、時間がテーマ。アンティークの壁掛け時計の振り子部分にビデオアートを組み合わせた作品です。

3.ItsNotYourFoucault
3-2.ItsNotYourFoucault_GIFIt’s not your Foucault/Liu Dao 六島

このほか、手を叩くと荒地に立つ木にLEDの花が咲く写真や、鏡をのぞくとメッセージが現れるドレッサーなどもありました。おしゃれでユーモラス、そしてちょっと考えさせられる作品の数々に、時を忘れて見入ってしまいます。

4.OldHomesAfterItsAllSaidAndDone_GIFOld Homes after it’s all Said and Done/Liu Dao 六島

「Liu Dao六島」の作品はチームで制作し、すべて一点もの。中国ならではのモチーフをモダンかつ哲学的に解釈して表現したものが多くみられます。

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ユニークなのは通常15人前後いるというチームの構成。上海をベースにしていることが共通点ですが、出身地はフランス、アメリカ、中国大陸、香港などとバラバラ。画家や写真家のほか、エンジニア、プログラマー、ゲストアーティスト、それから作品に添える文章を書くライター、ダンスのアニメーションのための振付師と、実に様々な人が参加しています。ちなみに、この集団を設立し、アートディレクターを務めているのはフランス人のアーティストです。

アトリエをのぞいてみると、キャンバスや中国磁器などに交じってケーブルやネジ、端末らしきものがたくさん置かれていました。壁際の棚にある引き出しの中身はほとんどが金具! 制作途中の作品の裏側には機械が細かく取り付けられていました。一般的なアートの制作現場の風景とはだいぶイメージが異なります。

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「island6」で生まれた作品は、パリやニューヨーク、バルセロナ、ロサンゼルス、ドバイ、香港など、世界各地のエキシビションで展示されたり、ギャラリー等で扱われたりしています。また、上海の人気ショッピングモール「K11」のエレベーターの中にも飾られています。
ハイテクノロジーを表現の手段に、国境を超えたチームで最先端のクリエイションを生み出す。今の上海ならではの、新しい時代の新しいアートだと思います。

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●island6
上海市莫干山路50号 6号楼2F
Tel:021-6227-7856
http://www.island6.org