コロラドの大自然は、そのどれもが私たちを魅了して止まない。国立公園やモニュメントなど、ひとつひとつがパワースポットと呼ばれてもおかしくないほどだ。もしコロラドのパワースポットはどこ？と聞かれたら、私は迷わず「Garden of the Gods（神々の庭園）」と答える。この公園をただ歩いているだけで、とてもリラックスできる。と、同時に不思議とエネルギーが沸いてくるのだ。私の友達も、そう思っている人がたくさんいる。

この公園の巨大な岩山は、何万年もの時間をかけて風と水がつくりだしたもの。赤茶色の砂岩の郡は、まさに神々が降り立つような神秘的な光景だ。

特に地元コロラドスプリングスの人々は、この公園がとても好きで大切に思っている。休日になれば各地から訪れる観光客で賑わうが、普段は家族や犬と毎日散歩にやってくる人、トレイルランニングを楽しむ人、また、マウンテンバイクやロッククライミングにくる地元の人々が集まる。日頃からアウトドアのアクティビティが大好きなコロラド人にとって、ここは格別なロケーションだ。何気ない日々の暮らしのそばにある美しい大自然は、ローカルの人々にとっては、とても大きな存在なのだ。

つい先日、いつものように友達とトレイルランニングで、この公園に集まった。冬場のトレイルは雪が残っていることがほとんどだけれど、温暖な気候が数日続いて、トレイルのコンディションは比較的クリアだった。公園内には砂岩のモニュメントを中心にいくつものトレイルがあって、短いものから長いものまでいろいろな組み合わせで様々なルートが楽しめる。ハイキングはもちろんランニング、マウンテンバイク、また一般ではなかなか行くことの出来ない山道を乗馬で巡るトレイルもある。

私のお気に入りトレイルランのルートは、ビジターセンターに車を駐車して、Gateway trailから公園へ向かい → Suzan G. Bretag trailに入り → 続いて山道のPalmer trailを進む → 後半は景色の良いSiamese Twins Trailを一周して → Palmer trailから公園の中心エリアまで戻ってくるといった、トータル８km強のルート。曲がりくねった山道は、上りや下りがところどころにあったり、張り出した木の根などがあったりと、身体中の感覚が研ぎすまされるような刺激を与えてくれる。そして何と言っても、ため息が出るようなパノラマの絶景をどのトレイルからも眺めることができる。だから、いつもここへ来てしまう。

園内の中心エリアからいろいろな形をしている砂岩を見ていると、大聖堂のような尖塔の岩群や微妙なバランスの大きな岩、ラクダがキスしているような岩などを発見することもできて楽しい。パイクスピークの優雅な姿を背景に巨大な砂岩のファーメーションが眩しくそびえ立つ壮大な景色は、一度目にしたら心に焼付いて忘れられない。青空と赤茶色の岩々のコントラストがとても新鮮で美しく、何度訪れても圧倒される風景だ。

忙しさに追われた毎日やネガティブなマインドを、ここに来ればいつでも一気にリセットできる。Garden of the Godsは、そんな特別なパワーをもった場所だ。