中国で人気の旅行雑誌『中国国家地理』において、国内で最も美しい村の１つに選ばれた、「甲居蔵寨」に行って来ました。

チベット族の伝統的な住居が残る「甲居蔵寨」は、四川省ガンゼ・チベット族自治区の丹巴県に位置します。北京から四川省の省都・成都に飛行機で移動し、そこから車で350キロほどの山道を８時間ほど走り到着しました。山が深くなると、羊飼いや、ヤク、チベット僧ともすれ違い、村の生活の雰囲気が漂って来ました。

たどり着いた「甲居蔵寨」の山の斜面に並ぶ家々は、まるでおもちゃのようにかわいいチベットカラーの配色です。約５ｋ㎡の村には140件ほどのチベット式住居が残っていました。

大きな石と小さな石を巧みに積み上げた家々は、一階の窓が小さめです。これはかつて外敵から身を守るために要塞の役割を果たしていたからだそうです。

敷地の中には、赤い唐辛子や黄色いトウモロコシが干してあって、色とりどりです。どこのうちも、牛やアヒルなどの家畜を飼っていました。

いくつかの家は宿として経営していて、そのうちの１つに泊まりました。住人の客間件寝室を食堂にしていて、ここで自給自足の食材で作られた食事をいただきました。

素朴で美味しかったのですが、メニューは普通の中華料理で、チベットらしい料理が出なくて少し残念でした。

道で会う人々は素朴で友好的で写真撮影にも気軽に応じてくれましたが、近年旅行者が増え、宿や食堂で法外な値段をふっかけられた人もいるそうです。観光客からお金が入るようになり、山奥に暮らす無垢な人々にも経済発展の影響が押し寄せているのだとさびしい思いもします。けれども、奥地の大自然に触れられて、遠かったけど、思い出に残るとてもいい旅になりました。