healthyfood
2015-10-19
身体に優しい薬膳レシピ byちづかみゆき
#07 熱々のグラタンでアンチエイジング

秋晴れが続いて気持ちの良い季節ですね。これからはゆっくりと秋が深まるとの予報。冬仕度は早めにしておきましょうね。秋は“乾燥”が季節の特徴ですが、冬は何だと思われますか?冬はとってもわかりやすく、“寒さ”が季節の特徴です。

寒い時期は、五臓の中では腎を傷めがちです。暖かい時期は、汗をかくことによっても水分代謝を行っていますが、汗をかかないこの時期はほとんどを尿として排出しています。そのために腎を酷使し、結果、傷めやすいというわけです。

腎は、西洋医学でいう腎臓だけでなく、成長、発育、老化、ホルモンバランスに大きく関わる臓器です。ですから腎を傷めると老化が加速してしまうのです。そこで腎に働きかける「補腎」の食材をチョイスし、アンチエイジングしていきましょう。老化なんてまだまだ関係ないわ、とおっしゃるお嬢様がたには、女子アップとしてオススメ。特にこの時期に限らず、一年中バランスよく摂りいれていただくと、より効果的です。

「補腎」の食材は色が黒いものに多く、一般的によく「精がつく」と言われているもの。「腎の華は髪にある」と言われ、腎と髪は中医学ではとても関係深いのですが、日本でも、ひじきや海藻、黒胡麻などの黒い色のものを食べると髪によいと聞いたことがありませんか?そして「精がつく」の「精」こそ、腎に蓄えられているものなのです。

腎を補うものは黒米、栗、くるみ、黒胡麻、ひじき、ゴボウ、山芋、どんこ、ぶどう、ブルーベリー、プルーン、鰻、どじょう、すっぽん、海老、鯛、タラ、ししゃも、豚肉など。黒いものや精がつくと言われているものが多いですね。また、普段よくいただくお肉類の中では、アンチエイジングには豚肉!と覚えておくと良いかもしれません。

今回は、前菜はゴボウにレーズンや黒胡麻をあわせた洋風きんぴらのような『ゴボウとレーズンのバルサミコソテー』。シナモンを効かせて温める工夫もしています。

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メインは『タラと山芋のグラタン』。何度か登場している豚肉ではなく、タラを選びました。特に韓国では美肌食材としてよく知られていますが、マッシュした山芋と合わせ、簡単なグラタンに仕上げました。

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すべて「補腎」の食材から考えたレシピですが、なんといっても寒さが特徴の冬ですから、基本はカラダを温めるものや、寒さに耐えられるよう気を補うもの、そして寒さで悪くなっている巡りをよくするものも必要です。寒いときにうれしい、熱々でいただくグラタンに入っているタラと山芋は、気を補う食材でもありますし、ゴボウを使った前菜は、シナモンやバルサミコ酢に巡りをよくする効能があります。(撮影=安井真喜子)

ゴボウとレーズンのバルサミコソテー シナモン風味

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材料2人分

ゴボウ 細めのもの1本
レーズン 大さじ2
バルサミコ酢 大さじ1
シナモンパウダー 少々
はちみつ 小さじ1
ひとつまみ
こしょう 少々
EVオリーブオイル 大さじ1
黒ごま 小さじ1/2
イタリアンパセリ 粗く刻んだもの 大さじ1、飾り用少々

作り方

① ゴボウはささがきにし、水にさらす。

② フライパンにEVオリーブオイルを熱し、水気を切った①のゴボウを入れて炒める。

③ ②のフライパンにレーズン、バルサミコビネガーを加え、ビネガーの酸がまろやかになってゴボウに火が通るまで炒めたら、シナモンパウダー、はちみつを加え、塩、こしょうで味を調えて火から下ろす。

④ 粗熱がとれたら、黒ごまと刻んだイタリアンパセリを混ぜ込む。

⑤ ④を器に盛り、飾り用イタリアンパセリを添える。

タラと山芋のグラタン

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 材料2人分

 タラ(切り身)  2切れ
 酒  大さじ1
 山芋  300g(小さめのじゃがいも3個大)
 生クリーム  大さじ2
 塩  2つまみ
 こしょう  少々
 にんにく  すりおろし、少々
 A
 パルミジャーノ  すりおろし、大さじ4
 パン粉(細かいもの)  大さじ2
ドライタイム 小さじ1/2
EVオリーブオイル 小さじ1

作り方

① オーブンを200℃に余熱しておく。鱈は塩(分量外)をふり、酒とともにフライパンに入れて火にかけ、沸いたらふたをして火を弱め、3分程蒸して(途中水分が足りないようなら湯大さじ1を足す)皮を除き、適当にほぐしておく。骨があれば取り除く。

② 山芋マッシュを作る。山芋はじゃがいも大に切って皮ごとラップで包み、500wの電子レンジですっと串が通るくらいまで加熱する(6分程)。熱いうちに皮をむいてマッシュし、生クリーム、塩、こしょう、にんにくのすりおろしを加えてなめらかに混ぜ合わせる。(山芋によって水分が少なければ、お好みで生クリームを足す)

③ ②に①を加えて混ぜ合わせ、耐熱皿に入れる。

④ Aをボウルに入れてよく混ぜ合わせ、③の上に広げ、余熱したオーブンできれいな焦げ目がつくまで焼く(10分程)。