立冬も過ぎ、朝晩冷え込んでくるようになりました。けれどもまだ昼間は20℃近い日もありますよね。そうなると気温差にカラダがついていけず、風邪をひく人も多くなってきます。風邪にもいろいろな種類があって、季節の変わり目にひきやすい風邪もありますが、ここでは鼻づまり、鼻水、くしゃみ、咳、頭痛、悪寒、発熱、カラダがだるい…などの症状が特徴の、冬場の寒い時期にひきやすい風邪の対策をご紹介します。
風邪のひきはじめには葛根湯!と日本ではよく耳にしますが、食材で代表的なのは生姜と葱。辛味があって、温性で、汗をかかせて風邪を発散させる食材です。他にはシナモン、大葉、香菜、うど、みょうがなどがあります。温性ではありませんが、温かいお料理にしたり、温める食材を組み合わせることで、菊花や豆豉、葛なども同じ働きがあります。
もちろんこれだけ摂ればよいというわけではありません。汗をかかせて発散させるということは、同時に気(エネルギー)も出してしまいます。そもそも疲れで気が足りなくなり風邪に対してバリア機能が働かなかった…ということもありますので、気を補う食材も必要です。そして胃腸にやさしい食材を選んで、温かいスープやお粥などに仕上げるのがベストです。けれどもスープやお粥ばかりではちょっと物足りない、とおっしゃる方には、今回のレシピをオススメします。
まずは『長葱とエビの豆豉炒め』。ダイレクトにたっぷりと長葱を使い、発散効果のためだけでなく、味のアクセントに生姜や豆豉を使った中華風のおそうざいです。とろりとした長葱の甘みが美味しく、胃にもやさしいエビが温めながら気を補います。
メインには『鶏肉、山芋、舞茸の黒酢あんかけ』。欧米では風邪には野菜と一緒に煮込んだチキンスープをいただくそうですが、鶏肉は胃腸にやさしく、気を補う食材。山芋も同じ効果がありますし、舞茸は免疫アップに役立ちます。香ばしくソテーして生姜の搾り汁をしっかりきかせた黒酢あんをかけ、たっぷりの白髪葱と菊花を添えました。
これから年末にかけては何かと忙しいシーズン。風邪をひいたと思ったら、食事だけでなく、温かくしてしっかりと休養(睡眠)をとり、早く治したいものですね。また、風邪で寒気を感じて食事で温まりたいとき、唐辛子を使うのはNG。特にのどに炎症(痛み)があるときには余計に痛みが増してしまいます。風邪をひいて食事で温まりたいときは、まずは生姜と覚えておいてください。(撮影=安井真喜子)
長葱とエビの豆豉炒め
材料2人分
長葱 | 2本 |
むきエビ(大) | 120g |
生姜(みじん切り) | 小さじ1/2 |
にんにく(みじん切り) | 小さじ1/2 |
豆豉(みじん切り) | 小さじ1/2 |
片栗粉 | 小さじ1 |
塩 | 少々 |
酒 | 小さじ2 |
しょうゆ | 小さじ1/2 |
太白ごま油(サラダ油、菜種油他) | 大さじ1 |
香菜 | 適宜 |
作り方
① 長葱は斜め切りにする。エビは背ワタをとって洗い、水気をふきとってから塩・酒各少々(分量外)をもみこみ、片栗粉をまぶす。豆豉に酒少々(分量外)をふっておく。
② フライパンに油を入れて熱し、しょうが、にんにく、豆豉を炒める。
③ 香りがでてきたら長葱を入れて炒める。長葱がしんなりしてきたらエビを加え、エビに火が通ったら、塩、酒、しょうゆを加えて味を調える。
④ 器に盛り、お好みで香菜を添える。
鶏肉、山芋、舞茸の黒酢あんかけ
材料2人分
鶏もも肉 | 1枚 |
山芋 | 150g |
舞茸 | 120g(1パック) |
A | |
黒酢 | 100cc |
きび砂糖 | 大さじ4 |
しょうゆ | 大さじ1·1/2 |
塩 | 小さじ1/2 |
しょうが | 搾り汁 小さじ2 |
チキンスープ | 100cc |
片栗粉 | 小さじ1 |
太白ごま油(サラダ油、菜種油他) | 大さじ1/2 |
白髪葱 | 適宜 |
食用菊 | 適宜 |
作り方
① 鶏肉を大きめの一口大に切り、塩・こしょうをふる。山芋は厚さ1cmの輪切りにし、舞茸は一口大に分けておく。
② 小鍋にAを入れて照りがでるまで弱火にかけ、同量の水で溶いた片栗粉でとろみをつける。
③ フライパンに油を入れて熱し、鶏肉を皮目から両面こんがりと焼いて取り出す。フライパンの余分な油をペーパーでぬぐい、分量外の塩少々をふりながら山芋と舞茸も焼く。
④ ③を器に盛り、②の黒酢あんをかけ、白髪ねぎと菊花を添える。