interior
2016-02-04
昨日より気分のいい空間 by 長井美暁
#07 ウールのラグやカーペットで快適生活

一年で一番寒いこの時期は、室内に温もりがほしくなります。インテリアのアイテムで、見た目にも実際にも温もりを得られるのがラグ。先頃、良い出会いがありました。カーペットルームという会社が新しく発表した国産ブランド「COURT」のウールラグです。

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これに出会ったのは、1月13日にオープンした「中川政七商店 表参道店」。今年創業300周年を迎える中川政七商店が、その屋号を掲げて初めて路面に構える店舗で、自社ブランドだけでなく、パートナーブランドによる日本各地の工芸品が数多く揃います。新たに仲間入りしたブランドは「COURT」のほかにも二つ。プラントハンターの西畠清順さんとのコラボレーションから生まれた植物ブランド「花園樹斎」と、日本最古の御香調進所による京都発の香りブランド「薫玉堂」です。また、同店限定で「2&9」ブランドの靴下や「motta」ブランドのハンカチへの刺繍サービスを行っています。

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中川政七商店 表参道店 東京都渋谷区神宮前5-43-7 Tel.03-3409-2260 11:00〜19:00 無休 東京メトロ表参道駅のB2出口より徒歩7分 http://www.yu-nakagawa.co.jp/p/2428

「COURT」のファーストコレクションは全7種のデザイン。フィッシャーマンセーターに見られる柄や色使いを参考に、シンプルななかにも奥行きのあるものに仕上げることを目指したそう。実物をご覧になるとよくわかるのですが、織りの立体感や風合いが本当に素敵なんです。

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このラグはイギリス産ウールを用いて、糸から独自に開発しています。イギリス産ウールは世界のウールの3%しかない、希少価値の高い羊毛で、弾力性の高さが特徴。だから「COURT」のラグも、しっかりした手触り。

カーペットルームは、堀田カーペット3代目の堀田将矢さんが立ち上げた大阪の会社です。堀田カーペットはウィルトンカーペットの専門メーカーで、1962年に創業。60年代に開発された織機を今も使っていて、その機械を操れる職人は現在、日本に20人前後しかいないとか。同社のカーペットは職人が糸の調子を目で見て、機械の調子を耳で聞いてつくっています。確かな品質から一流ホテルや高級ブティックなどにも使われていますが、敷き込み用しかないため、社名が一般に知られることはほとんどありませんでした。

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堀田さんは「カーペットの良さを少しでも多くの人に知ってほしい」と、以前から啓蒙活動に力を入れています。そして今回、手軽に親しんでもらえるものとしてオリジナルのラグを発表。2年の歳月をかけて開発したそうです。

7サイズは6種。最小は600×400ミリで10,000円(税別)、最大は2000×3000ミリで178,000円(税別)。小さなマットタイプはプレゼントにも良さそう。http://www.carpetroom.jp/court/

そんな堀田さんが昨年新築した自宅は、キッチンや洗面所などの水まわりを含め、床という床にカーペットを敷き込み、カーペットでの暮らし方を幅広く提案しています。

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カーペットの良さはいろいろあります。一つは日本人に馴染み深い「床の暮らし」ができること。いつでもごろりと横になれるし、椅子と違ってその場に集まる人の数を問いません。

ご家庭なら素材はなにより天然ウールがオススメ。クッション効果があり、滑りにくいことに加え、「調湿機能があります。ウールカーペットを最も気持ちよく感じていただけるのは梅雨時期で、さわやかな感触で過ごせます」と堀田さん。これは意外。

お手入れもご心配なく。週に1〜2回、ブラシのついた掃除機をかければ、良いコンディションで長く使えます。飲み物などをこぼしても、染み込まないうちに素早く拭き取れば大丈夫。乾いたタオルやティッシュでトントンと叩いて吸い取ってください。頑固な汚れも完全に取り除く必要はありません。8割ほど落とせば、その後は掃除機による日常のブラッシングで次第に目立たなくなります。堀田さんは「ウールは遊び毛が出て新陳代謝します。新しい表面が自然に出てくるんです」と話します。

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ウールはホコリを吸着するので、掃除機で吸い取れば、ホコリが空気中を浮遊することもありません。「僕の妹は喘息持ちですが、我が家では全く症状が出ませんよ」。アレルギーのある人に向かないというのは大いなる誤解なんですね。

このようにたくさんの長所があるウールカーペット。まずは「COURT」のラグで、その良さを体感してみませんか? 取り扱い店舗は前述の「中川政七商店 表参道店」以外に今後、全国に広がる予定で、カーペットルームはその情報をウェブサイトに載せる準備を進めています。