クッションは季節や気分に合わせてインテリアを変えたいときに活躍するアイテム。家具はどうしても場所を取るから簡単に買い足すことが難しいけれど、クッションなら一つ二つ増えてもまったく問題ありません。むしろ、大小さまざまなクッションをいくつも組み合わせるほうが楽しい。アクセサリーやスカーフなどのファッション小物と同じ感覚で親しめるのがクッションです。
ヨーロッパの一流インテリアファブリックの数々を輸入販売するマナトレーディングで、企画・PRを担当する中尾幸子さんによると、「この1〜2年、コレクションに合わせた既製のクッションを発表するブランドが増えています」とのこと。今回はその中からオススメをご紹介しましょう。
まずは、本国でも今年初めて発表された、イギリス「HARLEQUIN(ハーレクイン)」のクッション。「プリントの楽しさがあるのがイギリスブランドの特長です」と中尾さんが話すように、動植物をモチーフにした大胆な柄とエキゾチックな色合いが素敵です。
続いて、この秋から日本でも取扱いが始まったイギリス「Sanderson(サンダーソン)」のクッション。このブランドは1860年創設と伝統があり、ボタニカルの花柄デザインを得意としています。
最も「サンダーソン」らしいデザインを復刻し色調を現代的に変えたコレクションから。フレッシュなレトロ·テイスト。
左・片面はリネン、もう片面はシェニール織りのこんなクッションなら、夏冬で表にする面を変えて使っても。右・キッズ向けですが、犬好きの大人の方にも好まれそう。
こちらは少し高級なコレクションで、現代の印象派画家と言われるジェシカ・ズーブの作品をモチーフにしたイギリス「ROMO(ロモ)/BLACK edition(ブラック・エディション)」のクッション。デジタル技術を駆使し、リネンやベルベットにプリントしてあります。
変わり種では、ロンドンの地下鉄開通150周年を記念して、「kirkbydesign(カークビーデザイン)」とロンドン交通局がコラボレーションした「UNDERGROUND」コレクション。その名の通り、ロンドンの地下鉄やバスで実際に使われていた椅子張り地を現代風にアレンジ復刻しています。こんなマニアックなデザインも、クッションなら気軽に取り入れられますね。
「ロンドンのジョン・ルイスやピーター・ジョーンズといったデパートには充実したクッション売場があって、棚にクッションがずらりと並ぶ様子が壮観なんです。それだけクッションを買い求めるお客さまが多いということでしょうね」と中尾さん。
イギリス以外の国のブランドからも、魅力的なクッションがたくさん出ています。例えば、フランス「ÉLITIS(エリティス)」のクッションは色柄だけでなく、シルクやリネン、ベルベットなど素材もさまざま、凝った刺繍が施されているものや、端に房が付いているものもあります。写真のように、テクスチャーを含め、いろいろな種類のクッションを組み合わせるのがオシャレという最近のトレンドを、いち早く発信したのがこのブランドです。
複数のクッションをコーディネートするとき、初めのうちは同じブランドの中から選ぶと間違いがありません。中尾さんも「異なるコレクションでも、同じブランド内で一つのストーリーが生まれるようにデザインされていますから、組み合わせやすいと思いますよ」とアドバイス。お手持ちのクッションを組み合わせるときの注意点は、デザインのグレード感を通すことと、全体の色調を揃えること。でも、反対色を効果的に取り入れるのもきれいです。
そして、ドイツ「SAHCO(サコ)」の「Urban Safari」は高級なフェイクファーを使ったコレクションで大人な雰囲気。このうえない手触りで、クッションと同柄のスロー(ブランケット)も揃います。
クッションは装飾性だけでなく、腰や背中にあてて座り心地を調節するなど、機能性もあります。その観点からも、いろいろな大きさや形のものを組み合わせることをオススメしたいところ。海外には下の写真のようなソファもあるんです。イタリア・ジェルバゾーニ社のもので、なんと15個(!)のクッションをセットにしています。
このソファに使われているソファカバーとクッションカバーは、人気デザイナーのパオラ・ナヴォーネがディレクションする「DOMINIQUE KIEFFER(ドミニク・キーファー)」というブランドのもの。同ブランドのインテリアファブリックはマナトレーディングが扱っています。
マナトレーディングは11月3日まで「英国ショッピングウィーク」と「エル・デコ デザインウォーク」に参加していて、期間中は東京・中目黒のショールームでイギリスブランドのクッションをたくさん展示しています。お気に入りのクッションを見つけに、この機会に足を運んでみてください。
取材協力:マナトレーディング
http://www.manas.co.jp/