家にある家具の中で最も“働き者”なのがダイニングテーブル。食事だけでなく、家族の団らん、友人知人のもてなし、子どもたちの勉強、ちょっとした書き物や仕事まで、多くの家庭でダイニングテーブルは1台で何役もこなしています。
こうした現代の暮らしのために、アメリカ・ハーマンミラー社の新作「カラフテーブル」はスペースを有効、かつフレキシブルに使えるようにデザインされています。ダイニングテーブルで何でもする、というのは日本に限らず、世界共通の傾向なんですね。
このカラフテーブルのお披露目会に先日出かけました。家具の新作発表会は通常、ショールームやショップで開かれるものですが、今回は実際の住宅に近い空間でテーブルを体験してもらおうという趣旨で、会場は「原宿ROCKET」という一軒家のレンタルスペース。ここにはキッチンとロフトがあり、キッチンの隣はダイニング、ロフトはホームデスクのイメージで空間をセッティングし、テーブルを見せていました。
左/「原宿ROCKET」の外観。この日は入口も特別仕様。 右/人が集う楽しいダイニングをイメージして、ホワイトオンホワイト(ホワイトオークの天板と白色塗装の脚)のカラフテーブルに明るい色の小物類をセッティング。色とりどりのイームズファイバーグラスシェルチェアもハーマンミラー社の製品。壁に飾ったポスターはアレキサンダー・ジラードのデザイン。皿の上のナプキンにもジラードがデザインしたグラフィックがプリントされています。イサム・ノグチの照明は、デザイン違いで複数設置するとポップな雰囲気に。
ロフトは都会に暮らす男性の部屋をイメージして、アーバンクラシック(ダークチェリーの天板とアンティークブロンズの脚)のテーブルを。奥の椅子はイームズアルミナムグループチェア、手前の椅子はイームズプライウッドチェア。壁にはブラックのイームズハングイットオールとネルソンの時計を合わせて。時計の下に置いているのはイームズワイヤーベーステーブル。すべてハーマンミラーストアで扱っています。
デザイナーのチャールズ・ウィルソンさんもオーストラリアから来日。シドニーにある彼の自宅でも「ダイニングテーブルは生活のすべての行いの中心。食事はもちろん、仕事もします。家の中で一番使っている家具です」とのこと。
カラフテーブルは天板の下に機能面の特長が隠れています。幅広の引き出しが備わり、引き出しの両サイドにシェルフもあるのです。だから、食事の直前までテーブルの上に仕事道具や子どもが勉強道具を広げていても、素早く仕舞ってモードを切り替えられます。あるいは、引き出しやシェルフに箸やカトラリー、ナプキン、テーブルリネンなどを入れておけば、食卓をすぐに整えることができます。
引き出しは両側から開閉可能。テーブルはブラックオンブラック(アッシュブラックの天板と黒色塗装の脚)を含めて全3タイプ。
さて、お披露目会では夜にパーティも開かれました。パーティのテーマは「ベトナム×オーストラリア」。オーストラリアはわかるけれど、なぜベトナム? それは、ウィルソンさんがベトナムにあるハーマンミラー社の工場を訪れた際、現地の伝統的な釣り小屋を目にし、カラフテーブルのデザインのインスピレーションを得たから。
ご家庭でパーティを開く際も、テーマを決めると準備しやすくなります。また、テーブルの中央には写真のように、花やフルーツなど少し高さのある装飾品を置くとバランスが良くなります。テーブルコーディネートの世界ではこれを「センターピース」と言います。
パーティの開始時間が近づき、テーブルの上にベトナムとオーストラリアのフュージョン料理が並びました。メニューは、レモングラス炒飯むすび、オマール海老のライスペーパーロール、紫芋とピタヤ(ドラゴンフルーツ)とパッションフルーツのチェー、そして、カンガルーミートのステーキピンチョス!
いつもは暮らしの名脇役であるテーブルが、この日ばかりは主役として衆目を集めたのでした。
●ハーマンミラージャパン
http://www.hermanmiller.co.jp