Beijing:北京
2016-07-05
新旧コラボが絶妙なスポット、楊梅竹斜街 を歩いてみました

北京の古い街並が残る前門エリアは今、大規模なリノベーションが進んでいます。その中でも、若者に特に人気の高い楊梅竹斜街を歩いてきました。

1

前門から南に走る媒市街を起点に西に500メートル弱続くこの通りは、清朝時代から文化人が多く住み、魯迅や康有為など多くの文人や時の政治家もここで酒を酌みかわしたと伝えられる歓楽街だった場所。高貴な人たちの社交の場であるとともに、娼館なども並んでいたそうです。

まず、この通りを入って100メートルほどのところにあるカフェ『Soloist Coffee Co. 独奏咖啡有限公司』に入ってみました。丁寧に淹れられたコーヒーにはこだわりがあり、コーヒー通の間でも北京でトップクラスの味わいと人気です。

2
3

レトロな雰囲気を基調とした店内の2階テラス席からは、楊梅竹斜街の全景が見られます。上から見下ろすと、以前の民家が残り、古くからの北京の路地の味わいが今も感じられ、魯迅たちが生きた時代の面影を見るようです。

4

画廊や書店、クリエーターのデザインルーム、カフェやレストランが所々にありますが、いずれも民家と共存、または民家をそのまま使っています。

昔ながらの路地を修復し、まったく新しい観光スポットになっている通りはいくつかありますが、楊梅竹斜街はそれらの観光地とはひと味違います。それは、この通りの開発時の2013年、路面の修復を完了すると、政府はもともとの住民を強制退居させるのではなく、住民自身に移転するか残留するかを決めさせる政策を取りました。結果、約1700戸の住民のうち、3分の1弱の住民が移転し、残りの住民はそのままここに住み続けることとなりました。そのため、大部分が観光地化、商業地化された街並とは違い、下町本来の暮らしぶりを濃厚に残したままのリノベーションとなったのです。

民家を改装した画廊をのぞくと、期間限定のイベントが行われていて、中国の若者たちであふれていました。

5

新しく建てられたギャラリーもいくつかあります。

6

センスのいい観葉植物を販売する店もありました。

7

清朝時代の建造物を生かした『模範書店』には、美術全集など日本の書籍も置かれていました。

8

あちこちで再開発の進む北京、これまではテーマパークのような、いかにも作り物の街というところが多かったのですが、この通りは古き時代の味わいを生かしながら新しい文化の香り漂う街並作りを成功させたストリートといえるでしょう。北京に来たら、是非一度、足を運んでみてください。