Beijing:北京
2016-11-01
その日の天気でメニューが決まる、北京の人気精進料理店

最近オープンした精進料理レストラン『素和善食』が人気と聞いて行って来ました。昨今は中国でも健康志向が強く、肉、野菜、五葷と言われるニンニク、ネギ、ニラ、玉葱、らっきょうなどの刺激物を使わない精進料理が好まれています。北京には何件かの精進料理店がありますが、『素和善食』の特徴は、1年を春分、夏至、秋分、冬至を舳に24の季節に分ける二十四節気をもとに、季節に合った料理、その日の天気に合った料理を提供しているところです。

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たとえば、今の時期は乾燥しやすいので辛いものを避けるのですが、雨の日は湿気が体にたまりやすいので辛いものを少し取り、雪の日は体が温まるように、辛いものを多めに取るなど、1日1日の気候に合った食材をマネージャーが教えてくれます。この日は季節の料理の中でも、日本では珍しい食材を使ったものを中心におすすめの料理をオーダーしてみました。

①菊花豆腐/素材・豆腐 36元=612円

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②茭白配椒圈/素材・マコモダケ 30元=510円

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③宫爆候頭菇/素材・候頭菇 66元=1122円

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④香椿炒豆腐/素材・粟 36元=612円

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⑤冰皮菌繊/素材・虫草花 18元=306円

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各素材の栄養価についても教えてもらいました。豆腐には良質なタンパク質が多く成人病肥満などに効果があり、 マコモダケ はビタミンが豊富。候頭菇は胃を守り免疫力を高め、粟は栄養豊富で内臓に良く下痢を治す効力があり、虫草花は冬虫夏草の代用として使われていてアミノ酸、ミネラル、ビタミンが豊富なのだそうです。
 
味は日本の精進料理よりも油と塩が多めでしっかりしていました。長年精進料理に携わってきた料理長の作る十数種類のキノコから取った秘伝の出汁が味に深みを添えています。スタッフには茶芸師もいて、食事にあった本格的な中国茶も楽しめます。

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オーナーの郭星原さんにもお話を伺いました。郭さんは以前、体重95キロと太り気味で、いくつかの成人病を患い体調が悪い時期がありました。ある日お坊さんと出会い、肉、魚、化学調味料を使わない精進料理を薦められ食べ始めたところ、半年後に体重は15キロ落ち、よく眠れるようになり、体調が見違えるようによくなりました。なんと髪の毛も増え、周りの人たちからもとても若返ったと言われたそうです。郭さんは健康のためにいかに食事が大切かということを知り、この経験を是非多くの人に広めたいと思いました。そして妻とともに、質がよく値段もリーズナブルで多くの人が利用しやすい精進料理の店をオープンすることを決めたそうです。

最近の健康志向と相まって、ベジタリアンの外国人にも口コミで広がり人気店となった『素和善食』。美味しくて見た目もきれいで、それでいて優しい価格が嬉しいレストランです。平日は込み合うので、予約を入れてから行かれることをおすすめします。

●素和善食
北京市朝陽区新源南里16号 世方豪庭中庭2F
Tel. 010-8453-1644 Open:11:30~22:00 無休