Berlin:ベルリン
2015-11-19
クリスマスへのカウントダウン

今年の初めにお仕事でお世話になったウラさんから、お手紙と一緒に一足早くアドベント・カレンダーが届いた。今年の第一アドベントは11月29日。ドイツに来てから、それまで日本で知っていたクリスマスとは全く違う楽しみ方に、最初のうちは戸惑っていたが、今では随分と親しみが湧くようになった。

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アドベントとはクリスマスの週末を入れずに4週前から毎週日曜日に行うもので、その日はキャンドルに火をつけて、みんなでクッキーを焼いたり、賛美歌やクリスマスの歌を歌ったり、シュトレンを食べたり。大人はスパイスの効いたホットワインやグリューワインを、子供はプンシュと呼ばれる温かいジュースやなどの飲み物を囲んで過ごす、ドイツの寒い冬を吹き飛ばす家族や親しい人たちでの会。スーパーでもクッキーの材料やクリスマスのお菓子がわんさかと並び、綺麗なデコレーションやかわいいパッケージに誘われ、まだプレゼントする人も決まっていないのにジャケ買いしてしまうのが、恒例になっている。

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ドイツではサンタクロースの元祖と呼ばれる聖ニコラウスの命日12月6日に、子どもたちがお菓子をもらったりする。保育園などでは「ここでいい子にしていないと、クリスマスプレゼントはなしよ」「いい子にしているか〜」と、日本でいったら秋田県のなまはげのようにニコラウスが登場して、悪い子探しが始まる。そして、それとは別に24日にプレゼントをくれる“クリスマスの男(Weihnachtsmann)”がいる。子供がいないせいもあり、ずっとこの事実を知らないままでかなり混乱していた。

4ドイツの切手にも登場したニコラウス

アドベントと共にスタートするのがクリスマスマーケット。寒い中、移動遊園地やプレゼントのお店、ソーセージやほっぺたが落ちるほど甘いスイーツ、温かい飲物の屋台が出る賑やかなマーケットは、ベルリン市内でもいたる所に出る。数年前、取材に行ったニュールンベルクはドイツでも一押しのクリスマスマーケットがある。珍しいので最近では国内外からの観光客も押し寄せるようだ。ニュールンベルクは昔からおもちゃの見本市で知られているため、ドールハウスの小さなパーツがマーケットでも販売されていて、見ているだけでも飽きない楽しさがある。

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そして2年に一度、選ばれるのがクリストキント(キリストの子)。成人になる前の金髪の女の子で天使のような存在だ。地方によって、特にカトリック圏では、クリスマスの男ではなく、このクリストキントがクリスマスの日にプレゼントを持ってきてくれるという言い伝えがある。

5クリストキントEr.ANvffnung Christkindlesmarkt NN|rnberg | Foto: Ralf Schedlbauer/Stadt NN|rnberg

普段は友達で毎週教会に行っているという人もまわりにいないのだけど、ドイツがキリスト教の国だと実感するのがこの季節。そして、キリスト誕生前夜の聖なる夜は家族で過ごすため、街がシーンと静かになる。人によっては、クリスマスは商業化されすぎていると批判したりする人もいるが、相当、静粛な気がする。とにかく、12月にドイツにいらっしゃるならば、カウントダウンを楽しむのがオススメです。

それにしても今年は本当に暖かく、秋が長くて、まだ暖房も入れたことありません。何だかまだまだクリスマスが先のことに思えます。

●ベルリンのクリスマスマーケット:
Weihnachtsmarkt am Gerndarmenmarkt
ミッテ地区ジャンダルメンマルクト広場。グルメなレストランの出店もあり。
http://www.gendarmenmarktberlin.de/wp/

Umwelt- und Weihnachtsmarkt in der Sophienstrasse
デザインや工芸品、オーガニックフードなど、レベルの高いプレゼントが見つかります。アドベントの土日のみ出店。
http://www.weihnachtsmarkt-sophienstrasse.de/

Weihnachtsmarkt vor dem Schloss Charlottenburg
シャルロッテンブルク宮殿前のテント群。イルミネーションがきれいで雰囲気がいい。大人も子供も楽しめる。
http://www.wvdsc.de/

●ニュールンベルクのマーケット:
http://www.christkindlesmarkt.de/en/