Milano:ミラノ
2015-12-14
特別なギフトが見つかる隠れ家店へ

冷たい空気に頬を赤らめ、ニット帽と手袋、ムートンコートが手放せない季節となりました。パーネトーネや木の実たっぷりのドルチェを飾るお菓子屋さんのショーケース、キラキラとライトアップされた大通り、華やかさを一層増したブティックのウィンドーの数々、と、すでにミラノはクリスマス気分。しかし、ローカル達にとって真にクリスマスシーズン到来を感じさせるのは、ミラノの守護聖人の日、聖アンブロージョの祝日12月7日なのです。

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カトリックの国イタリアでは、各都市にそれぞれの守護聖人が祀られていますが、ミラノでは、この街最古の教会「聖アンブロージョ教会」(4世紀末建造)に奉られた聖アンブロージョがそれにあたります。偶然にも翌日がマリアさま懐妊宣告日の祝日とあり、ミラネーゼにとってこの二連休が「家族でクリスマスツリーを飾る日」と習慣化しているのです。この日、ドゥオモ教会前にも巨大なツリーが立ち、オペラの殿堂、スカラ座では、年間プログラムの“初日”が華やかに幕開けします。そう、これで一気にローカルたちの贈り物ショッピング熱が頂点に!

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というのも、イタリアでは、このクリスマスシーズンに家族や友人達を始め、あらゆる知り合いたちと感謝の気持ちを込めた贈り物をしあう、というちょっとやっかいな習慣があります。そして、頂いた贈り物は、ツリーの下へ!が原則。開封は25日の朝までの“お楽しみ”なのです。子どもたちには、バッボナターレ(サンタクロース)からのプレゼンも届くことでしょう。

あらゆるショップが魅力的なディスプレイという魔法でミラネーゼたちを誘惑する中、本当に大切な人への特別なギフト探しに奮闘するのもミラネーゼ。そんなお洒落な本物志向のミラネーゼに愛されている隠れ家的な2スポットを紹介したいと思います。

1つは、デザインギャラリー&セレクトショップの「スパッツィオ・ロッサーナ・オルランディ」。聖アンブロージュ教会から目と鼻の先にあります。かつてのネクタイ工場を改装した建物は、路面店になっておらず、大きな門のベルを鳴らし、中庭を通って辿り着くプライベート感のある素敵な場所。

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カリスマバイヤーでキュレーターのロッサーナおばさまの審美眼に適った世界中からの名作や、クリエイター、アーティストたちによる選りすぐりに出逢えます。ちょうどこの時期は、贈り物を意識したセレクト品で店内をインスタレーション。購入はもちろん、観賞するだけでも立ち寄りたくなる場所です。ブック型照明のLUMIOや、アーティストのヤコポ・フォッジーニによる合成樹脂製シャンデリア、写真家グイドー・タローニによる美しいドレスの写真作品など、小物からスペシャルな逸品まで、心に残るギフトが必ず見つかります。

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もう1つは、愛用品のオーダーメイドという、ミラネーゼの素敵な習慣を感じることのできる工房「ラボラトリオ・パラヴィチーニ」です。

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ミラネーゼのオーダーメイドは、スーツやシャツ、ネクタイに靴、ドレスやファーにストールといったモードの領域に留まりません。インテリアにおいても、数々の分野の工房や職人が存在します。中でもここは、テーブルウェアのオーダーメイドでも、個性的で抜群のセンスを抱えた場所。素敵なマダムで20年のキャリアを持つアーティストで職人でもあるオーナーのセンスの良さがその秘密です。

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オリジナルの絵柄を手書きし、上質なハンドメイドのイタリア製セラミックとして再現。どんなに世界中の顧客から称賛を得ようとも、大量生産を拒み、職人技を大切に1枚1枚を作り上げるこだわりが、ここのセラミックの魅力です。数々のサンプルを参考に、大切な人のための特別な1枚をオーダーするのも、セットで注文するのも可能。まずは1枚をオーダーしてプレゼントし、記念日ごとにコレクションを増やしてゆく楽しみをもプレゼントする、というのも素敵ではありませんか?

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ぜひともローカルの気分で、地元民御用達のスポットを訪れてみて下さい。ミラネーゼの温もりあるこだわりにハッとさせられるでしょう。

●Spazio Rossana Orlandi
Via Matteo Bandello 14/16
http://www.rossanaorlandi.com

●ラボラトリオ・パラヴィチーニ
Via Nerino 8, Milan
http://www.paravicini.it