Shanghai:上海
2015-09-14
新進気鋭ニコール・ジャンの服

ファッションデザイナーのニコール・ジャンさんがアトリエを移転オープンさせたと聞き、遊びに行ってきました。市内にある古い集合住宅の一角をリノベーションしていて、大きな白い扉が印象的です。ニコールさんが自分の名前を冠したブランドを立ち上げたのは2012年。翌年に中国のファッション誌で見かけ、ミニマルでセクシー、かつ媚びのないスタイルが気になりました。間もなく取材に訪れ、彼女に初めて会った瞬間、はっとしました。まるで自身の洋服のイメージをそのまま表したような雰囲気の美女!

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中国ではここ数年、中国人によるハイエンドなデザイナーズブランドが増え、おしゃれに敏感な女性たちに注目されています。デザイナーの多くはヨーロッパ留学をしていますが、彼女は上海の大学でデザインを学びました。卒業後、ディオールやプラダ、ミュウミュウといったブランドで中国地区のビジュアルマーチャンダイジングの経験を10年積み、独立。ヨーロッパと現代中国のラグジュアリーファッションを理解しているデザイナーといえます。

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ブランドのコンセプトはロウ・エレガンス(Raw Elegance)。「素材とどう向き合うか。私の服はテクスチャーが大事なんです」と語るように、彼女の目線は常に素材へ向けられています。紙のような変形自在の生地とメタル素材を組み合わせたり、パイソンレザーやフェイクレザーを取り入れたり。イタリアの会社と開発したオリジナルの生地も多数。いかにも中国らしい花鳥柄や民族テイストとは趣を異にし、素材から着想した、自由で大胆で、かつ抑制のきいたエレガントさが持ち味です。

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立ち上げからまだ3年ですが、既に女優をはじめ有名人の顧客も多いとか。ルイ・ヴィトンによるシティガイドやロンドンのアート系出版社のファッションブックにも、新進気鋭の注目ブランドとして紹介されています。洋服はアトリエのほか、上海のセレクトショップでも扱っています。中国のデザイナーズブランドを集めたショップ「棟梁」の長楽店には独立したスペースのニコール・ジャンルームもあり、おすすめ。

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年々知名度が高まり、いまや多忙を極める彼女。それでもアトリエで顔を合わせれば、自ら洋服を手に「これもちょっと着てみない?」と、実にフレンドリー。こういう気取りのなさと貫禄を併せ持つところが、上海発のハイブランドの魅力なのかもしれません。

プリーツをとった軽やかなロングドレス、オーバーサイズのレザージャケット、裾を切りっぱなしにした台形ミニスカート。その日、美しくて意志のあるニコール・ジャンの服を何着も試着した私は、家に帰った後もしばらく心地よい余韻に浸っていました。

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●Nicole Zhangアトリエ
上海市静安区鳥魯木斉路17弄1号(要予約:86-187-0181-7303)
●棟梁 長楽店
上海市静安区長楽路764弄 2幢

http://www.nicolezhang.com/