年が明けて早くも数週間になりますが、体調はいかがですか?元気で新しい年を始められていますか?年末年始の暴飲暴食による胃腸疲れや、お正月休み、成人の日の三連休で遊びすぎてぐったりモードになっていませんか?あるいは連日の家族サービスでお疲れのかたもいらっしゃるかもしれませんね。
2016年第1回目の今回は、元気という言葉にも使われ、薬膳(中医学)の基本となる「気」のお話から始めたいと思います。
「気」を一言で表すとすれば「エネルギー」のこと。中医学特有の考え方で、様々な働きをしています。血や津液、排泄物を動かしたり、内臓をきちんと動かしているのも気の働きによるもの。この時期、寒さに対してカラダを温める役割も担っています。寝不足で気が足りない時や疲れている時には寒さが身にしみますよね。
今年はまだ流行っていないようですが、インフルエンザなどの風邪からカラダを守るバリア機能も気のおかげ。疲れていると、いつもより風邪をひきやすくなります。他には過剰な排泄や出血をおさえたり、内臓をあるべき位置に保つ、血や津液を作り出したり、不要な水液を汗や尿に変化させる、などの作用があります。疲れ=気が足りない状態ですので、元気でいるためには足りない気を補って充実させること、そしてその巡りをよくしておくことが大切です。
食事の際に気を補う食材を選べばよいわけですが、その際に考慮していただきたいのが脾(消化器、胃腸)の調子。脾は食べたものを消化して気や血を作り出す素になるものを作り出します。この素は様々な栄養分にあたるのですが、これを作り出せないといくら気を補う食材を食べても気はつくられません。ですから胃腸が疲れている時には、脾の働きをよくするものと、気を補うもの、両方が必要になります。
『芽キャベツ、焼きしいたけとスプラウトのしょうが酢みそ和え』は、胃腸の働きをよくする芽キャベツやしょうがと、気を補うしいたけの組み合わせ。春を感じさせる酢みそ和えにはからしを使うことが多いのですが、しょうがだと胃腸によく、さらに温め効果もあります。芽キャベツがなければブロッコリーでも美味しくいただけますし、同じ効能があります。
『豚レンコンまんじゅう 和風スープ仕立て』は、気を補う豚肉と胃腸の働きアップのレンコンの組み合わせ。たっぷりのせたみつばも気を補う働きがありますし、多めに散らしたゆずの皮は気の巡りをよくします。巡っていないところに補うものをどんどん入れても詰まってしまうので、気を補うものには巡りをよくするものをセットで使うのがポイント。ちょっとしたことですが効果的なトッピングです。
寒さで弱りがちな胃腸のためには温かいお料理に仕上げるとさらに良いですね。胃腸にやさしく気を補って健やかに1年を始めましょう。(撮影=安井真喜子)
芽キャベツ、焼きしいたけとスプラウトのしょうが酢みそ和え
材料2人分
芽キャベツ | 8個 |
しいたけ | 3枚 |
ブロッコリースプラウト、紅たでスプラウトなど | 適宜 |
塩 | 適宜 |
A | |
白みそ | 大さじ1と1/2 |
米酢 | 大さじ1 |
きび砂糖 | 大さじ1/2 |
しょうが汁 | 小さじ1 |
作り方
① 芽キャベツは塩茹でする。ボウルにAを入れ、よく混ぜ合わせて和え衣を作る。
② 焼き網でしいたけと芽キャベツを焼き、しいたけには熱いうちに塩をふり、それぞれ適当な大きさに切る。
③ スプラウトを和え衣で軽く和えて、②とともに器に盛り、残った和え衣をかける。
豚レンコンまんじゅう 和風スープ仕立て
材料2人分
豚ひき肉 | 150g |
れんこん | 80g |
みつば | 適宜 |
ゆず果汁 | 大さじ1/2 |
ゆず皮 | 1/2個分 |
A | |
酒 | 小さじ1 |
塩 | 1つまみ |
粉山椒 | 少々(小袋1~2分) |
片栗粉 | 小さじ1/2 |
B | |
昆布だし | 200ml |
塩 | 1つまみ |
酒 | 大さじ1/2 |
しょうゆ | 小さじ1 |
作り方
① レンコンは半分をすりおろし、残りの半分は3~5mmくらいの角切りにしておく。
② 大きめのボウルに豚ひき肉とAの塩、酒を入れてよく混ぜ合わせ、残りのAの調味料と①を加えてさらに混ぜ合わせる。
③ 鍋にBを入れて火にかけ、沸いたら②を2等分して丸めて加え、ふたをして(沸騰してから火を弱め、)7分くらい蒸し煮する。途中、裏返す。
④ 火が通ったらゆず果汁とざく切りしたみつばの茎を入れてさっと煮て器に盛り、みつばの葉をのせ、粗くおろしたゆずの皮をふりかける。