Berlin:ベルリン
2015-09-03
森の湖の家でイケムラレイコ展

ベルリンを拠点とする美術家のイケムラレイコ展を見に『ハウス・アム・ヴァルドゼー(森の湖の家)』に行ってきた。旧西ベルリン、ダーレムの住宅街にあるこのヴィラは、戦後の1946年から、国際的な現代アーティストの作品を展示する美術館としてオープンし、これまでにピカソやヘンリー・ムーア、マックス・エルンストなどの個展も行われてきた歴史がある。

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このヴィラ・スタイルの美術館自体もステキなのだが、加えて湖に面した広いガーデン部分がここの魅力。青々とした芝生には様々な彫刻が点在していて、それらの作品を鑑賞しながらのんびり出来る。コーヒー、ソフトドリンク、ワインなどを飲みながら、おしゃべりを楽しむ大人たち。一人で静かに本を読む人や日光浴をする人もいる。

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大きな街でも、ちょっと地下鉄に乗ったら、こんな素敵な場所に辿り着けるのは贅沢だと思う。ついつい美術館に行く時間を逃しがちだが、ここはベルリンの中でも個人的に気に入っている展示スペースのひとつ。

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イケムラレイコさんの今回の展示は、歌川広重の東海道五十三次の浮世絵からインスパイアされたという作品と、ベルリン東洋美術館などに収蔵されている広重本人の版画数点も同時に並んでいた。ドイツ人が夫婦でやってきて、興味深く作品に見入っている光景などを目にすると、自分の文化圏に関心を持ってくれているんだな~と嬉しく思う。

4.Leiko Ikemura_Prelude IIIAN) Leiko Ikemura, VG Bild-Kunst, Bonn 2015

この展覧会のタイトルはプレリュード(前奏曲)。2016年初旬には、建物全館を使っての個展の予定もあるそうだ。受付の女性と少し話をしたら、「彼女の作品大好きなので、本当に楽しみなのよ!」と嬉しそう。来春には、森や湖もまた違った姿をみせてくれることだろう。

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http://www.hausamwaldsee.de/index.php/en/
http://www.leiko.info/