Beijing:北京
2015-06-28
パンダと過ごす平和な時間

私がパンダに出会ったきっかけは、かれこれ15年以上前になります。北京に移り住んで間もない頃、北京動物園で双子のパンダが生まれ、母パンダが2匹の子どもを同時に育てていると聞いて撮影に出かけました。

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実は、厳しい自然の中で子どもと自らの命を守るためか、パンダは1匹しか子どもを育てないという習性があります。それまでにも北京動物園では何度か双子が生まれ、見捨てられた子どもは人工飼育よって育てられていましたが、人工飼育で子パンダが一年以上生存したことはなかったといいます。この時は母親に2匹を育てさせるという試みがなされ、見事成功した時だったのです。毎日、動物園のフィールドでゆったりと暮らす双子のパンダを眺めながら、兄弟がいるっていいな〜、家族を持つって幸せなだな〜という、ごく単純なことながら、人が生きる上での大切な基本に気づかせてもらいました。

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そしてこのことがきっかけでパンダ好きになった私は、どうしてもパンダの故郷、四川省を訪れてみたくなり、「成都大熊猫繁育研究基地」にも撮影に出かけました。そこでは生後一年くらい、人間の歳に換算すると5歳くらいの子パンダたちが園内のフィールドで遊んでいました。どのパンダもそっくりで最初はまったく見分けがつかないのですが、飼育員によれば「パンダは目の回りの黒いふちどりと耳の形で見分けられます」とのこと。そうして何日間か通ってパンダをじっくり眺めていると、子パンダにもそれぞれの個性があることが段々わかってきたのです。やんちゃで他のパンダにちょっかいばかりを出している元気な子、おやつを横取りする小ずるい子、いつでも一人静かに遊んでいる子など、その性格は本当にさまざまで、見ていてまったく飽きませんでした。

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四川省はパンダにとって心地よい気候らしく、彼らは毎日元気に楽しそうに遊んでいます。ここのパンダは午前9時から10時頃に朝ご飯を食べ、その後はお昼寝タイムとなり動かなくなってしまうので、遊んでいるパンダを見るのなら、朝の開門と同時に訪れるのがおすすめ。北京動物園も常時10頭前後のパンダを公開しているので、北京来訪のおりには是非訪ねて欲しいスポットですが、時間があれば四川省をゆっくり訪れて、パンダと一緒の時間を過ごしてみてはいかがでしょう? 私もこの夏休み、また四川省のパンダに会いに行くのを今からとても楽しみにしています。

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