Brighton:ブライトン
2016-03-17
意表を突くアレンジが新鮮!ベジタリアンのニューウェーブ

ベジタリアン人口比率がひじょうに高いと思われるブライトン。もとはマクロビフーズの店として出発した『Infinity Foods』(以前このブログでご紹介しました)のほか、飲食店もがんばっています。なかでもイチオシなのが、イースト・ストリートにあるレストラン『terre a terre』。

1.terreaterre

肉のない物足りなさをどうやって解消するかは、ベジタリアンの永遠の課題。この店の場合は、カジュアル前衛とでもいいましょうか、見慣れない食材や調味料を食べ慣れたフォーマットに高度な技で落とし込んでくるタイプ。しかも味にもハズレがありません。アジアや中東をはじめ、エキゾティックな料理のフュージョンが得意で、「ええっ ここで柚子こしょうを?」など、いつも意表を突くアレンジが新鮮で楽しみなんです。当然ながら人気店で、週末はランチでも要予約。

2.starter01

数ヵ月ぶりに訪れてみると、メニューが変わっていたので、すかさず新しいディッシュを注文してみました。

2.DreamSteamer05

「ドリーム・スティーマー」と名付けられたメインの一品は、2段重ねの蒸籠に、3品ずつ点心のような盛りつけで。上段には:ダイコンとコールラビと昆布の「うまみ」ボール、たまり醤油づけのカリカリ焼き豆腐にサテイソース、柚子味噌を中につめたシシトウ揚げ。

3.DreamSteamer02

下段にはハルミチーズとエシャロットを中につめた中華蒸しパン、コチュジャン風味の小ナス、油条(中華揚げパン)の糯米巻きに甘酢生姜。と、こんな具合で、日本語にしてみるとまるで気の利いた居酒屋メニューのような印象ですが、これを英語で読むとトレンド感が半端じゃないんですよ。

4.DreamSteamer03

そして日本風かと思っていると、中身はみごとなフュージョンで、どれを食べてもメニューに書いてある通りとは思えない新鮮味があるのはなぜ? とくに朝食として中国人がよく食べる揚げパンを糯米で巻いてしまった発想には脱帽。揚げパンは意外にサクサク感ともちもち感が強くて、糯米に負けていなかったのでびっくりしました。味や趣向には大満足ですが、難をいえば分量的に少し物足りないかも。

連れが注文した「ロスティ」は、もとはハッシュドポテトのようなスイスのじゃがいも料理。タマネギ入りロスティの上に乗っているのは、ハルミチーズ、ポーチドエッグ、チェスナットマッシュルーム、ウォッカ風味のミニトマト、黒豆のフェジョアーダ(ブラジル風煮込み)。これをクリームトマトのソースでいただきます。

5.rosti

ここの料理を見ていると、今まで知らなかった野菜の名前や調理法がいろいろ出てきて、辞書を引かなければならないほど。イギリスだけではないと思いますが、とくにロンドン周辺では日本を中心としたアジアン・フュージョンが大人気のようで、ここにもその影響をひしひしと感じました。