Brighton:ブライトン
2016-07-21
細い小路が入り組んだ、迷宮のような「レインズ」へ

今年もなかなか気温があがらず、「夏よ来い!」と叫びたくなるブライトンです。それなのに、たまに晴れるとやけに日差しが強いのは北国ならでは。防寒や防水のジャケットを着込んだ人もいれば、タンクトップにサングラスのいでたちもいて、いったい何を着たらいいのか誰もわってないありさまです。晴れているうちに、ダウンタウンの中心地、サウス・レインズ地区を散策してみました。

以前ご紹介したノース・レイン地区を南に向かい、パヴィリオンをさかいに南側にあるのが「レインズ(The Lanes)」。名前のとおり細い小道が入り組んだエリアで、ノース・レインと区別してサウス・レインズと呼ばれることも。ブライトンが小さな漁村だった時代にさかのぼる、街でいちばん古い定住地です。中世のおもかげを残す古い建物も若干残ってはいるものの、今ではすっかり商業地としてにぎわっています。雑多でヒッピーぽい(こちらの人はこれをボヘミアンといいます)ノースに対して、サウスはぐっと一般向け。有名ブランドの店舗も多くて、ノースよりは高級志向(こちらの人はポッシュというでしょう)かもしれません。とくにレストランがたくさん集まっていて、しかもビーチも近いので、週末となれば観光客でごった返します。

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バスも通る大通りノース・ストリートから、せまい小道ミーティングハウス・レインにちょっとだけ足を踏み入れると、すぐにシーフードレストラン兼シャンパン・オイスターバー「Riddle & Finns」があります。高いテーブルとスツールのみで、相席もあり、予約不可のカジュアルな店ですが、店の内装はクラシックで大人のムード。地元で獲れた新鮮な魚をそこそこのお値段でシンプルに食べさせてくれて、たいへん重宝します。店外にカウンター席があり、レインズのにぎやかさを感じながら、シャンパンをひっかけて生ガキをツルっというのも乙なもの。

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この道をどんどん奥にいくと、道のせまさときたらノースや原宿・竹下通りの比ではありません。しかもくねくねと曲がるので、迷路にはまったような感覚におちいります。ここもノース・レインと同じく、20世紀前半まで人口過密でスラムとみなされていた地域。でもこうして古い建物が入り組んでいるからこそ、今では魅力的な町並みになっているのだからおかしなものです。とくにジュエリー店が軒をならべるあたりは、道ゆく人が肩を並べてすれちがえないほど。不安にかられて次の角を曲がると、マジパンわざが半端でないイカれたケーキ屋さん「Choccywoccydoodah」(チョキウォキドゥーダと読みます)にでくわしたりと、遊び心もいっぱい。とにかく楽しい通りなので、ぜひ迷いこんでみることをおすすめします。

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さんざん道を曲がって、いいかげんに方向感覚がなくなったあたりでかならずあらわれるのが、この小道の名前の元となったクエーカー教徒の集会所フレンズ・ミーティングハウス。ここまで来れば、評判のベジタリアンレストラン「Foods for Friends」はもうすぐそこです。以前紹介した別のベジタリアン「terre a terre」と比べると、ぐっとふつうのイギリス料理に近いメニューをモダンなアレンジで。写真はハルミチーズのバーガーと特製ローストベジのヨークシャープディング添え。

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ふと気づくと、まわりには雑貨店、ブティック、コスメショップなどがひしめいています。あまり海外ではお目にかからない国内レーベルの直営店も多いので、おみやげ探しにも便利です。もちろん、ビーチにくりだすのもよしですが、雨が降らないうちに急いでくださいね!