スペイン在住邦人、ざっと6000人強という話ですが、チャイナタウン日本版みたいなものはマドリーにもバルセロナにもありません。フランクフルトにもパリにもロンドンにも、「日本語だけで買い物できる」地区があると聞きます。ちょっとしたホームシックをなぐさめてくれる日本的な場所があれば素敵なのに、と常々思っています。やっぱり日本食レストランだけでは物足りなく。
そして先日とうとう、ガリシアの友人を訪ねた帰り、長い間狙っていた「温泉」に寄ってきました。「スパ」と彼らは呼びますが、私は「温泉」であると強調したい！
スペイン国内には様々な温泉保養地があります。普段は湯船につかる習慣のないこの国では、温泉巡りはまだまだメジャーではないものの、 近年では国内の温泉地も段々とおしゃれになって、一般人にも観光客にも使いやすくなってきました。ガリシア州オウレンセ県は、それこそローマ時代の浴場がある温泉の湧き出る町。川沿いにいくつも公共浴場が並び、川遊びしながら温泉に浸かれるという贅沢な環境です。
その中でも人気なのが、日本の温泉をスペイン風に再現した「Termales de Outariz」です。炭酸水素塩、ナトリウム、硫黄など、含まれるミネラルは日本の温泉ともよく似ています。水着で温泉に入る時点で、日本のみなさんにはブーイングかもしれませんが、そこはご愛嬌。更衣室のみ男女分かれていて、ロッカーもシャワーもレストランも完備。「禅コース」「セルタコース」と分かれていますが、泡が出たり、水流があったりという10個それぞれ違ったお風呂で様々な温度と眺めを楽しめます。
熱い→冷たいの入浴を繰り返すのも日本と同じ。「禅コース」は熱いお風呂も多く、日本人には嬉しい限り。露天風呂から眺める川のせせらぎと盛夏の緑。まさに絶景かな！川沿いの温泉を巡れる「温泉トレイン」でのアクセスが便利で、夜遅く23時まで開いているのも魅力。 ガリシアの旅を予定されている方には是非おすすめします。
●Termas de Outariz
