もうずいぶん前になりますが、市内のサンミゲル市場が改装してフードコートになったとき、市場好きの私としては正直 残念だと思いました。ですが、今では仕事で行く度に、観光客向けとはいえよくできている施設だなぁと感心します。スペースは広いし、ワインだけひっかけるのもOK。立ち飲み立ち食いでうろうろしてもいいし、机とイスを確保できれば、仲間同士であちこちから集めて来たスペインの味で宴会できちゃう。
人気はやはり生ハムの量り売りや、パエリア。すり身でできた「うなぎの稚魚」もあれば、みんなの大好きなコロッケも。奥には御寿司や生ガキもあるし、デザート、コーヒー、もちろん食後のリキュールまで完備。一度入ったら何時間もゆっくり過ごすことすら可能。週末は深夜2時迄開いているという素晴らしく使い勝手のよい場所です。
サンミゲル市場の大成功に、市内ではサンアントン市場も5年前に改装。こちらはもっとシンプルで、揃えているのは各国料理。チュエカ地区での買い物のときに一息に便利な場所です。別名「靴屋通り」と呼ばれる、アウトレットも含めて靴屋さんがずらりと並ぶアウグストフィゲロア通りにあるので、この通りの上方から一気に靴屋を総なめしてサンアントン市場をゴールにするのがよいでしょう。
そしてフードコートの流行が高じて、劇場を丸ごと改装し、一歩先をゆくフードコートに仕立て上げたのが「プラテア」。2014年から、じわじわと人気を博してきました。改装の仕方が何しろ大胆! 地下と1階をフードコートに、地上2階には劇場の雰囲気そのままに高級レストランを用意し、最上階にはカクテルバーを。きらびやかな空間に、一旦入ると時間の感覚を失います。
そしてこの劇場の雰囲気をさらに盛り上げるべく、週末には客席を練り歩くパフォーマンスが。キッチンから飛び出て来た4人組、といういでたちの男女が懐メロあり、ヒット曲ありで、客席を縫いながら踊る踊る、歌う歌う!
そしてクライマックスは「へ?!」と思う間にバレリーナが空中に登場。フードコートという域を越えたエンターテイメント施設といいましょうか。敷地面積6000㎡、ミシェラン星付きのシェフたちのセカンドラインの店舗をラインアップし「合計6つのミシェラン星」が一カ所に、というのも自慢のひとつです。場所柄、オシャレなマドリレーニョたちが集合し、ここはまだまだ観光客は少なめ。首都のハイソな気持ちに浸るにはうってつけの場所といえるでしょう。
ところで庶民の市場はどうなっているかというと、まだまだ健在です。マドリード市内には大小様々17の生鮮食品市場がありますが、中でも最大なのが「マラビージャス市場」。250店舗がところ狭しと並んでまさに庶民の胃袋です。
市場散策を終えたら、ここでは勇気を出して八百屋のおじちゃんや魚屋のおばちゃんと一緒に、ペルー料理バル『ラ·カレタ·デ·ドリータ』のカウンターに座ることを強く勧めます!言葉がわからなくても大丈夫。メニューの写真を笑顔で指差してみてください。
市場の肉体労働者にこよなく愛されるペルーのソウルフード、旨くて安くてボリュームたっぷり。言うことなし!!個人的にはイチオシです!
●Mercado San Miguel
Plaza de San Miguel,s/n,28005,Madrid
http://www.mercadodesanmiguel.es
●Mercado San Antón
Calle de Augusto Figueroa,24,28004, Madrid
http://www.mercadosananton.com
●Platea
C/Goya,5-7,28001,Madrid
http://plateamadrid.com
●Mercado de maravillas
Calle de Bravo Murillo,122, 28020,Madrid
http://www.mercadomaravillas.eu