シカゴのクリスマスシーズンに欠かせないのは、市庁舎に隣接する広場デイリー・プラザで毎年開催されるクリスマスマーケット。このフェスティバルの名称は「Christkindlmarket」で、ドイツのニュルンベルクで1545年に始まった冬のフェスティバルを真似たもの。アメリカ中西部ドイツ商工会議所によって、ドイツと中西部間の貿易拡大に向けて20年前に始められた。出店で販売されているクリスマスの装飾品など多くの商品は、ドイツから直接輸入されている。
クリスマスはイエス・キリストの誕生日を祝う日なので、入り口の通りに面した場所にはキリスト生誕の様子を描いた彫刻が置いてあり、賛美歌や聖歌が流れていて、神聖な雰囲気も味わえる。広場には温かみのある木造の家屋が並び、パンケーキやソーセージなどドイツ料理が販売されており、またドイツ語で会話をしている人々も多いため、ちょっとだけヨーロッパの街にいる気分にもなる。でも、周りを見渡すと、シカゴの独特の高層ビルや教会があり、ちょっと不思議なマジカルな雰囲気も楽しめる。
このマーケットは、11月20日から12月24日のクリスマスイブまで開催されており、平日はダウンタウンで勤める人々がランチやディナーを食べにきたり、週末は市内や郊外に住む家族連れや観光客で賑わう。あの周辺で会社勤めをしていた頃は、毎年このマーケットで同僚たちと数回ランチをした。クリスマスが近くなり、気分が高まってくるとドイツならではのホットワインを飲みたくなる。赤ワインと香辛料を温めて作ったクリュー・ワインは身体を温めてくれるので、特に寒い日に最適なドリンク。同僚たちと1年を振り返りながら、ホットワインで乾杯をして忘年会をやったものだ。ワイングラスはお土産として持って帰れるので、これも楽しみの一つ。
今回はダウンタウンであったミーティングの帰りに一人で立ち寄ったので、来ている人々とゆっくりお話ができた。ドイツで生まれで5才の時にシカゴに移住したジョージさんは、このクリスマスマーケットにはアメリカ人の夫人と2人で毎年来ており、ドイツが懐かしくなると話しながら、クルミ割り人形の前で写真撮影。
ドイツ語で話していたシカゴ在住の家族連れも、毎年欠かさず足を運ぶそう。日本人がシカゴで開催される日本の夏祭りを毎年楽しみにしているようなものだろう。
夜は華やかなライトアップで飾られるので、デートスポットとしても人気がある。クリスマスの週から学校が冬休みに入るので、クリスマスのショッピングに訪れる人々で混雑するが、毎年この時期に人々に喜びを与えてくれる「Christkindlmarket」に感謝です。メリー・クリスマス!