Chicago:シカゴ
2016-03-03
米国人シェフが作るクリエイティブで新しい和食が大好評

去る1月、シカゴで初めて「Taste of Japan」、“日本食の日”のイベントが開催された。グルメブームを迎えているシカゴでは、昨年から全米料理界のアカデミー賞と言われるジェームス・ビアード賞の受賞式も行われており、フード業界全体が盛り上がっている。その中でタイミングよく開催され、食関連のPRコンサル事業を行う者としては、喜びを隠せなかった。

「Taste of Japan」は海外における日本食の普及、またそれに貢献する業界人を称えることを目的とし、日本農林水産省も共催している。2015年10月にロンドンで初開催され、今年になって米国のワシントンD.C.、シリコンバレー、シカゴの3都市においても開催の運びとなった。各都市で協議会が設置され、日本食の普及に貢献している「和食大使」を選出。シカゴでは随一のクオリティを誇る日本食店『Momotaro』のエグゼクティブシェフ、マーク・ヘリヤー氏(Mark Hellyar氏)が選ばれた。

1© Nagle Photography

ヘリヤー氏はワシントンD.C.をはじめ、ロンドンや日本でも仕事をした経験があり、ちょっとビックリするようなクリエイティブなメニューで、よく知られている。日本での2年に渡る修行中に、その食文化に魅せられ、アメリカにコンテンポラリーな日本食を広げたいという願いを叶えるため、2014年に『Momotaro』のエグゼクティブシェフに就任。以来、レシピに自家製の味噌や柚子胡椒など様々な日本の食材を採り入れ、シカゴで新たな日本の味を紹介し続けている。

2Photos by StarChefs.com

『Momotaro』の看板メニューで誰もが美味しいというトマト寿司は、一度は食べる価値あり。刺身の盛り合わせ、マグロのタタキ、寿司、備長炭で焼く宮崎牛、焼き魚、明太子スパゲティーなど、日本在住経験があるからこそのメニューもさまざま。どの料理も和食の繊細な味わいと、大胆なプレゼンテーションが自然に調和しており、特に素材を大胆に使う姿勢は、料理評論家たちからも高い称賛を得ている。

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レストランのある場所は、シカゴ中心街の西側ウエスト・ループにある精肉工場街「フルトン・マーケット・ディストリクト」の中。このあたりは2、3年前からレストランやIT企業が増え、グーグルのシカゴ事務所も引っ越してきたりと、人気上昇中のホットなエリアだ。『Momotaro』はシカゴ大手のレストラングループBOKAグループが経営。コンテンポラリーな内装も評判が高い。

4Photo by StarChefs.com

さて、「Taste of Japan 」のイベントは、和食大使の受賞式とレセプションで構成され、司会はアメリカ3大ネットワークABCシカゴテレビ局のフード記者スティ―ヴ·ドリンスキー氏(Steve Dolinsky氏)が担当。レセプションのインタビューでは、ヘリヤー氏が日本食との関わりや食材についてなど、興味深いエピソードを披露してくれた。

5© Nagle Photography

また ヘリヤー氏と『Momotaro』チームが、宮崎牛、マグロぬた、自家製味噌汁、若桃デザートなど、レストランのオリジナルメニューを紹介しつつ、参加者に試食を楽しんでもらうプログラムもあった。

6© Nagle Photography

シカゴで日本食をPRする者として、「Taste of Japan」が大盛況に終わったことは、本当に嬉しいことだった。シカゴのシャンゼリゼ通りと言われるミシガン通りに昨年ユニクロがオープンした時、多くの日本人が喜びに満ちた顔でオープニングを楽しんでいたように、「Taste of Japan」も日本人として誇りに思える素晴らしいイベンだった。

2013年に和食がUNESCOの無形文化遺産に登録されたことを宣伝材料として大いに活用し、今後も日本食文化をアピールする情報を発信していきたい 。

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