NewYork:ニューヨーク
2016-08-08
マンハッタンからブルックリンへ、橋を歩いて考えたこと

珍しく涼風がふいた夏の日に久しぶりに歩いてみた。映画などでおなじみのブルックリンブリッジ。マンハッタンとブルックリンを結ぶアメリカ最古の吊り橋。2重構造になっていて、下層部は車用、上層部が人と自転車用になっている。

1橋1

地下鉄4、5、6線のシティーホール駅を降りてすぐそこに橋が見える。横断歩道を渡ってそのままぶらっと歩いて20分ほどで渡ることができる。そばでみるワイヤーのど迫力な美しさ。橋からながめるロウアーマンハッタンの絶景に見とれたり、写真を撮ったり、川風を感じながらちょっと休んだりしていると40分くらいかかってしまうのだけれど。

2橋2

そんなブルックリンブリッジが、世界中のランドマーク同様、ここ数年抱えているのが「愛の鍵」問題。恋人たちが、永遠の愛を誓う儀式として、自分たちの名前を書いたり彫ったりした南京錠を橋のワイヤーにロックし、鍵をイーストリバーに投げるという儀式。橋の鉄の柵やワイヤーに所せましとぶら下がっている。

3橋南京錠1

それに加えて、最近では南京錠だけでなくイヤフォンが目立つ。市内を走る観光バスが乗客に無料で配っているイヤフォン。恋人もおらず、いやいても、あらかじめ鍵など用意していない場合、このイヤフォンが「どうせタダだったし、どうせ捨てるし」と結びつけられるようになったのが始まりだそうだ。

4橋イヤフォン

やがて「永遠の愛のしるし」は「自分がNYに来たしるし」「トレンドに参加したしるし」へと膨らみ、イヤフォンでもいいなら」と、とにかくポケットをさぐってみてたまたま持っていたものを結んでみようと考えたと思われる。髪飾り、リボン、ティッシュ、機内で使うアイカバー、ビニール袋にいたるまで、ある程度長さがあって結べるものならなんでもという勢いで結びつけられている。中にはマジな願掛けをする人もいるようだし、世界から集まってきた人たちがつくる一種のコラージュと言えないこともないけれど、、、残念ながら「それはゴミでしょう」。

5橋南京錠2

言い尽くされたことだけど、鍵とても、何千という鍵をいちいちスタッフが定期的にこじ開け処理し続けるというのもコストもかかる。鍵そのものや、鍵の重みで柵が落下した場合、下層部を走る車にも危険が及ぶ。なんとか永遠の愛は別の場所で誓い、自分の存在のしるしを残したいならば、いっそのことセントラルパークのベンチを寄付するくらいのことをやってもらいたいものだ。ベンチのプレイトに名前とメッセージを刻んでくれ、永遠に残すことができる。100万円ほどかかるけど。

そんなことをブツブツ考えている間に、ブルックリンに到着。お隣のマンハッタンブリッジとの間がダンボと呼ばれる、今ブルックリンで人気のエリアのひとつ。大人気チョコレートのジャックトレス本店をはじめおしゃれなお店が点在している。ブルックリンブリッジパーク、ブルックリンハイツプロムナードもマンハッタンのおなじみの絶景が楽しめる。

ブルックリンブリッジのたもとには、まだこのあたりが物騒だった70年代からあるロマンティックなレストラン、リバーカフェをはじめ、ピザで有名なジュリアナ、グリマルディやロイズロブスター、日本にも上陸したハンバーガーのシェイクシャックなどがオープンしていて賑わっている。

6シェイクシャック外景

なかでもここのシェイクシャックの壁に使われている木材は、NYのビルの上に必ずあるNY名物ウォータータンクを解体したものだし、テーブルもダンボ地区にあった工場の梁から作ってあったりとちょっと凝っていて楽しい。

6シェイクシャックテーブル

ブルックリンブリッジとともに、どの角度からみても、イケメンなロウアーマンハッタン。つくづくこのイケメンぶりに惹かれてNYに来てしまう人、住みついてしまう人も多いんじゃないかと思うほど。晴れ晴れとみとれながら、でも同時に、永遠になくしてしまった景色のことも深く胸に想う。ブルックリンの消防署のドアに描かれた絵にこめられた想いを私も抱きしめながら、久しぶりに歩いたブルックリンブリッジだった。

8消防署の絵