日照時間が短くなり始める11月下旬。朝8時に太陽が昇って15時には日が沈んでいるこの頃。寒さには慣れましたが、この暗さに慣れることは難しいです。暗いのは苦手だけれど、毎年この時期にはとっても楽しみにしていることがあります。それはルッセブッレ(Lussebulle)と呼ばれるサフラン入りの菓子パンです!サフランの黄色とほのかな香りが何とも言えない、スウェーデンの大好きな食べ物の一つです。
ルッセブッレは11月中旬から年末にかけて期間限定でスーパーやコンビニ、パン屋さんなどで広く販売されます。ルッセブッレを日本の食べ物に例えると、春、桜が咲き始める頃に店頭に出回る桜餅のような存在。その時期定番のティータイムのお供と言えます。このルッセブッレはスウェーデン年間行事の一つであるルシア祭に深く関わりがあります。ルシア祭は元々、聖ルシアという女性守護聖人を祝うキリスト教のお祭りとして、1760年代からスウェーデンで祝い始められました。月日を重ねるごとに「キリスト教行事」から「国の文化」として広く人々に浸透してゆき、毎年12月13日にルシア祭が執り行われています。そして、このお祭で食べられるのがルッセブッレです。
ルッセブッレの始まりを紐解いてみると、ドイツから伝わってきたという説があります。その昔、一年で一番日の短い冬至に不思議な魔力を感じた人々が、サフラン入りのルッセブッレを焼くことで魔除けにしたことが始まりだそうです。そして日照時間が短い時期にルッセブッレを焼く文化がスウェーデンにも広がり今に至っているようです。
写真のように、ルッセブッレはS字型でレーズンが2つのっているのが定番です。パン屋さんやカフェに行けば、ルッセブッレだけでなく、サフランを使った他の焼き菓子も登場します。
期間限定のルッセブッレ。今のうちにこの美味しさをもっと味わいたいけど、1つ17クローナ(約240円)もするし、毎日は買えないなーと話していたら、友人が自分で焼いてみたら?と、美味しくフワフワに焼くための秘訣を教えてくれました。そこで、秘密のレシピを紹介します。少々多めの量ではありますが、冷凍保存をして、食べる直前にレンジでチンすれば3週間は美味しく頂けます。週末、スウェーデンの伝統菓子パンをお家で焼いてみるのはいかがでしょう?
ルッセブッレのレシピ(30個)
【所用時間】 2時間
【材料】
強力粉960g
生イースト(柔らかな固形) 50g
無塩バター 150g
サフランパウダー 1.5g
砂糖 180g
牛乳 500g
フレッシュチーズの 250g
塩 2.5g
卵 1つ
レーズン 60粒
①溶かした無塩バターを大きめのボールに入れ、サフランを加える。バターが温かいうちにサフランを加えることで、色と香りがよくでます。
②牛乳を約37度に温め、①に加える。そこへ細かく砕いた生イーストを加えてよく混ぜる。
③砂糖、強力粉、フレッシュチーズ、塩、とき卵を②に加える。
④ハンドミキサーで約5分(手の場合は10分)、③を混ぜて生地を作る。
⑤一次発酵させるため、ボールにキッチンタオルを被せて生地を30〜45分寝かせる。
⑥生地を分けてルッセブッレの形にする。おおよそ生地一握りをとり、細長い棒状に伸ばす。両端を巻いてS字型に。フワフワに仕上げるためのレシピなので、生地はとても柔らかく、手にくっついて分けにくくなっています。小麦粉か強力粉を振るとわけやすくなります。
⑦天板にオーブンシートを敷き、S字型にした生地を天板に並べる。30分間寝かせて、二次発酵させる。二次発酵させている間にオーブンを225度に設定し温め始める。
⑧二次発酵後、レーズンで飾り付けする。
⑨生地をオーブンに入れて8〜9分間焼く。
美味しいルッセブッレの出来上がりです♪