雪が降り積もり始めた年始。野外博物館 スカンセン(Skansen)に行ってきました。スカンセンではスウェーデンの様々な地域から移設された伝統家屋とその当時暮らしていた人々の暮らしに触れることができます。更に、スウェーデンに棲息する代表的な動物達に会えるのも魅力の一つ。今日はマイナス12度と寒かったのですが、夏場は活動的でない動物達がアクティブになるのが冬。ヘラジカが立ち上がっているところを見られる事を期待して、スカンセンへ向かいます。
1891年に創設されたスカンセンは今年125周年を迎える歴史ある野外博物館。ユールゴーデン島にあり、市街地から路上電車に乗って約10分で到着します。
子供からお年寄りまで地元の人に愛されていて、人気が衰えない理由の一つは園内で開かれる様々なイベント。今日は伝統衣装を着たお兄さんやお姉さんが童謡を歌って、訪れる子供や大人と一緒に踊っていました。
奥に進んでいくと動物達のエリアです。お目当てのヘラジカを発見。今日は優雅に歩いているところや食事をする姿を見ることができました。寒い中、来て良かった。
ヘラジカのすぐ近くにはグレー・アザラシというスカンジナビア海域に生息する最大のアザラシのプールがあります。近くまで泳いできてくれるので子供達も楽しそう。ヘラジカやアザラシの他にトナカイ、ヒグマ(冬眠中でした)、狼やフクロウなど様々な動物達に会うことができます。
小腹が空いてきたのでパン屋さんへ向かおうとした途中、牧場エリアで気になる牛を見つけました。何か違うなと思ったら、普通の牛より小さいのだそう。スウェーデン北部の山岳で見られ、今では190頭程しかいない貴重な牛でした。何だか愛嬌があって可愛くありませんか?
パン屋さんに到着。釜で焼き上げた手作りパンや焼き菓子が並んでいます。ここのシナモンパンは美味しいと有名で見逃せません。今日は珍しい型のシナモンクッキーを見つけました。人型のモチーフは1800年代に使われていたそう。ハート型や小ブタ型が定番のシナモンクッキーも、タイムスリップして1800 年代の人型モチーフで味わうことができます。
パン屋さんとは別にトゥンブロード(Tunnbröd)という伝統的な薄くて硬いパンを実演している小屋もあります。 大麦が採れる北部の家庭でトゥンブロードは保存食として作られていたそうです。材料は大麦、ミルク、水ととてもシンプル。作ったものを試食することも出来ます。
パン屋さんを出て少し歩くと道具屋さんがあります。実際にストックホルム市内にあったお店が、閉店後スカンセンで展示されることになり、2005年にお店の内装がそのまま移されてきました。1930年代から変わらない商品棚はとても印象的。当時のユニフォームを着たスカンセン職員さんが展示されている道具のことを教えてくれます。
伝統工芸品やガラス製品、小物に囲まれたカラフルなスカンセンのお土産屋さんを見て回るのも楽しいひと時です。スタッフさんのお勧めは、スカンセンで採れた蜂蜜とスカンセン自家製マスタード。マスタードは毎年冬限定で販売されています。
日が落ちるのが早い今の時期、16時には暗くなります。気温も下がり始めるので帰路につく人が多くなってきました。出口に向かう途中、目に飛び込んでくるのは街や船の明かりで輝く夜景です。スカンセンは小高い丘の上にあるので、ストックホルム市街を見渡せる隠れ絶景スポットでもあります。
スウェーデンの伝統的な移・住・食を感じ、動物とも触れ合えるスカンセン。季節ごとに見所があって何度も遊びに来たいお気に入りの場所です。
スカンセン(日本語)
http://www.skansen.se/ja/kategori/japanese-ri-ben