travel
2016-02-15
心も身体もきれいになる旅へ by 寺田直子
#10 楽園で究極のデジタルデトックス

寒い日本を脱出して熱帯の島へ。そんな気分になるこの頃。加えて、日々のストレスからエスケープしたくなる。そんなとき、もう一度あそこへ。そう私に思わせる場所があります。それは、フランス領ポリネシア·ランギロア島。

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一般的に「タヒチ」と称されるフランス領ポリネシア。実はひとつの島ではなく広範囲に広がる諸島で構成されています。写真によく登場するボラボラ島をはじめ、憧れの楽園リゾートも諸島ごとに点在し、どれもが個性的。その中でツアモツ諸島に位地するランギロア島は素朴な雰囲気をたっぷり残し、リピーターのダイバーを中心に支持されています。

ランギロア島へはフレンチポリネシアへのゲートウェイとなるタヒチ島首都パペーテから国内線で約1時間。ランギロアのあるランギロア環礁はマーシャル諸島に次ぎ世界第二位の巨大なサンゴ環礁として知られています。環礁に囲まれたラグーンは淡いペパーミントブルーから深みをたたえたコバルトブルーへと色彩の変化をみせ、言葉にできないほどの圧巻の美しさ。「ランギロアブルー」と呼ばれる地球が生んだ奇跡の色。これを見るためだけに訪れても後悔しないでしょう。

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ランギロア自体は細長い島で、人口は2700人ほど。信号もコンビニもないのどかな南の楽園です。リゾートもダイバー向けのカジュアルなスタイルのものが中心ですが、2015年に「星野リゾート Kia Ora ランギロア」が登場しました。既存のリゾートをリブランドしたもので、星野リゾート海外リゾート第一号として注目されています。

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ランギロア島唯一の水上コテージ、プール付きヴィラなどロマンチックな客室はハネムーナーに最適。野生のイルカがジャンプする姿を見ることのできるドルフィンウォッチングや、大人しい性質のサメと遭遇するスポット、「ブルーラグーン」でのアクティビティなど自然とたわむれるプログラムも充実。また、レストランでは世界で唯一、環礁上で作られたタヒチワインを味わうこともできます。

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そしてもうひとつ、とっておきの隠れ家が「ル・ソバージュ」。前述の「星野リゾート Kia Ora ランギロア」が所有するプライベートアイランドで、ランギロア島から専用ボートで約1時間。シンプルなバンガローが5棟と、ゲストの世話をする親日家のホスト、ミシェル夫妻、それと彼らの愛犬2匹のみ。1日に10名滞在限定の電気もインターネット回線もない、究極のハイダウェイです。

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「ル・ソバージュ」での滞在は実にシンプルです。とにかく何もしないで島の自然とゆったりと過ぎていく時間に身をまかせるだけ。希望すればミシェル夫妻が初心者向けのシュノーケリングポイントやフィッシングへボートで連れていってくれますが、アクティビティはそれだけ。携帯電話も使えず電気もない。最初はとまどいますが、数日もすれば慣れてくるから不思議。

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そして、気づかされるのです。周囲の風景や、島の時間のなんと贅沢であるかということに。潮風にゆれるヤシの木のざわめき、鳥のさえずり、砂をあらう足元のおだやかで温かな波。何もないと思った世界がどれほど饒舌に語りかけてくることか。時計も携帯もネットもないこれぞ究極のデジタルデトックスです。

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ハイライトはドラマチックなサンセットから圧倒的な星がまたたく夜。電気がないバンガローには毎夕、ミシェル夫妻がランプを運んでくれます。エアコンがないので窓を開けてカヤをつったベッドに横たわります。ふと、気づくと真夜中に雨音。頬にふれる風が心持ち冷たい。さあっと南の島に降りそそぐ雨の音を聞きながら、太陽と共にめざめる朝を思い、ふたたびまどろむ時間。あの幸福な瞬間こそ、一生に一度のかけがえのない体験だと今でも思うのです。

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●星野リゾート Kia Ora ランギロア
http://rangiroalagoon.com/