travel
2016-04-22
心も身体もきれいになる旅へ by 寺田直子
#12 美しすぎる「青の街」、モロッコ・シャウエンへ

最近は「世界の絶景」として話題になっているモロッコのシャウエン(正式名はシャフシャウエン)。街全体がブルーに染まる世界でも稀有な場所。私も数年前から訪れたいと思っていましたが、ついに念願を叶えるため行ってきました。

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子供の頃から赤やピンク、オレンジなどの暖色よりも青やグリーン、グレーなどが好み。なかでもブルーは本当に大好きな色。旅人を守るというサファイア、運気をアップさせるラピスラズリ、東山魁夷の日本画、フェルメールブルーなどなど。そんな「青好き」ならばマストビジットと断言したいのがシャウエンです。訪れたばかりというのもありますが、本当にすばらしい場所で心から感動しました。鮮やかな青とそこで暮らす人たちの姿が万華鏡のように鮮やかに思い出され、今もその余韻がここちよく旅の記憶をゆりおこします。

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シャウエンへは迷宮都市で知られる内陸の街フェスからバスで移動。片道4時間、と聞くと「ええっ!」と思いますが、車窓からはモロッコの春の風景が目を楽しませてくれて飽きません。バスも快適。これで片道800円ほど。

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シャウエンは山の中腹に広がる街です。かつてはポルトガル領だった時代もあります。街の中心はメディナとよばれる旧市街地。小さな門をくぐって足を踏み入れるとそこはまさに青一色の世界。家々はもちろん壁、階段、門、ポストなど、どこもブルー。それもスカイブルー、ミントブルー、ターコイズなど、それぞれ色味が異なるため絶妙なグラデーションがドラマチックな空間を生み出し、旅人の心をつかみます。さらにシャウエンは猫の街でもありました。いたるところでひなたぼっこをする猫たちが。青い街並みを背景にフォトジェニックにくつろぐ猫たちもまた、シャウエンの大きな魅力です。

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シャウエンのメディナは山腹にそって迷路のように細い路地が続きます。でも、とても小さな街なので写真を撮りながら散策しても数時間もあればまわれてしまいます。迷路の路地には小さなパン屋さんから日用品店、ペンキ屋(ここでは大事!)といった地元の人のお店からバブーシュ、アルガンオイル、オリーブ、ハンドクラフトなどモロッコ雑貨を扱う観光客向けのショップ、カフェ、レストランなどがカラフルに密集。飽きることなく歩きさまようのがシャウエンの楽しみ方です。

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メディナにはかわいらしいリアドと呼ばれるプチホテルがたくさんあります。最近は海外からの観光客が増えているので予約は早めがいいでしょう。1万円ほどでかわいらしいモロッコスタイルの滞在が満喫できます。

そして、滞在の楽しみのひとつが朝食。モロッコでは良質なオリーブオイルを量産、モロッコ人の食事には欠かせません。オリーブオイルは酸化しにくいオレイン酸が豊富でコレステロールを抑え、腸活をうながす効果があるとされています。モロッコはパンの種類がたくさんあり、なかでも私が気に入ったのがセモリナ粉を使ったHarcha(アルシャ)。香ばしいパンにオリーブオイルをたっぷりと。ヘルシーで素朴な味わいに朝からシアワセに包まれます。

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