タイ、ベトナムなどに次いで新しいアジアンデスティネーションを予感させるミャンマー。気になるところです。実際、まだ道路や交通機関などインフラは整っているとは言い難いですし、タクシー料金も値段交渉制などハードルは高め。ある程度アジア旅を重ねてきた中~上級トラベラー向きだと感じます。その反面、いまだ素朴さも残すムード、仏教国ならではの圧倒的な寺院史跡など、あふれる魅力もあわせ持ちます。
そのミャンマーのゲートウェイがヤンゴン。開発が進み、新しいホテルやオフィスビル群が急増中。そんな活気と対象をなすのが国民に愛されるミャンマーの象徴ともいえる黄金の仏教寺院シュエダゴン・パゴダ。寺院仏閣好きなら必見です。
シュエダゴン・パゴダはミャンマー市内北部に位置。観光客も多いですが、なんといっても敬虔な地元の人たちが熱心におまいりに来る姿が印象的です。2500年以上前、仏の聖髪を持ち帰り仏塔を建てたことがはじまりといわれています。その後、人々の寄進によって度重なる修復を経て現在の巨大なものになりました。
ちなみにシュエとは「黄金」を意味し、見たとおり金箔でおおわれたパゴダ、仏像のきらめきはめまいがしそうなほど豪華絢爛。頂点には76カラットほどのダイヤモンド、ルビーなどの宝石が飾られていますがそれらもすべて信者からの寄贈。そんなパゴダの足元に座り熱心に祈る人々は、何を願うのでしょうか。
そしてシュエダゴン・パゴダでぜひ、体験してもらいたいのが「曜日の神さま」へのおまいり。ミャンマーでは生まれた曜日がとても大切で、それぞれの曜日にそった方角と神さま(守護像)があります。中央の巨大パゴダの周辺にその神さまがぐるりと鎮座。自分の曜日がわかっていればそこへ行き、年齢の数だけ水をかけます。自分が何曜日生まれかは、ネットで簡単に調べることができるので事前にチェックを。
ヤンゴンには有名なレストラン「ハウスオブメモリー」があります。ここはアウンサンスーチー女史の父親であり「ミャンマー独立の父」として知られるアウンサン将軍がかつてオフィスにしていた場所。やや老朽化していますが、コロニアルな建物は観光客に人気。
一階はグループ用で、二階にあがるとオープンエアのテラス席と室内のダイニングスペースがあります。一部にはセピア色の当時の写真やタイプライターなどが展示され、スーチー女史の小さな頃の写真も飾られています。
ここで注文したいのが、ミャンマー伝統料理のひとつラペットゥ。発酵させたお茶にナッツ、ごま、野菜などをまぜたもので、「お茶の漬物」とも「お茶のサラダ」とも評されます。これがなかなかの珍味。実はミャンマー料理は油たっぷりのものが多く、回数を重ねていくとかなりヘビーになっていきます。そんなとき、このラペットゥをサラダ感覚でいただきます。酸味のある味はまさに漬物。発酵食品であり、さらに茶葉ということで翌日は胃も腸もスッキリ。ドリンクのおつまみに、あるいはごはんと一緒に食べても味わいがあります。
さて、冒頭でミャンマーはまだハードルが高いかも、と書きましたがそんな場合にこそ選ぶのはちょっと上質なホテルです。ヤンゴンにはアジアンリゾート好き憧れのコロニアルホテル「ザ・ストランド」があります。
クラシカルな雰囲気と共にすばらしいのがサービス。空港からの送迎や観光の相談なども含め、コンシェルジュを上手に利用することで旅が快適になります。最近はデザイン系のシティホテル、ビジネスホテルも増えてきたヤンゴンですが、日中たっぷり観光した後にホテルに戻りホッとする瞬間はやはり格別。これも旅上手になる遊び方だといえます。
●ハウスオブメモリー
http://houseofmemoriesmyanmar.com/
●ザ・ストランド
http://www.hotelthestrand.com/index.php