travel
2016-07-25
心も身体もきれいになる旅へ by 寺田直子
#15 映画のような旅情満載!今、最も行くべきキューバへ

60年代、アメリカとの国交が中断してから時が止まったままとなっていたキューバ。今年オバマ大統領が訪問、両国間の国交正常化が報道され、一躍新しい観光デスティネーションとして話題に。早ければ今秋頃にはアメリカ主要都市からの直行便が半世紀ぶりに再開されるので、日本からのアクセスもスムーズになるはずです。

1

そんなキューバは今こそ行くべきホットな場所。ゲートウェイは首都ハバナ。ヴィム・ヴェンダースが監督した映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、ロバート・レッドフォード主演『ハバナ』、最近ならばベニチオ・デル・トロが主演・監督した『セブン・デイズ・イン・ハバナ』など旅情をかきたてる魅力にあふれているのがハバナ。

1+

中でも港に面した旧市街はスペイン植民地時代の面影を残すコロニアルな建築物が並び、さらに60年代のビンテージカーが現役で走っているなどまさに映画の舞台のよう。タイムスリップした雰囲気が漂っています。

2

インターネットや携帯も最近やっと導入されたばかり。グーグルマップもストリートビューも見ることができません。不便な反面、ほかにはないワンアンドオンリーの個性が旅人に強烈に訴えかけます。こんな独特のムードもアメリカとの国交が回復すればあっという間の俗化されるはず。ということで、キューバのほとばしるエッセンスを味わえる今がまさに旬、というワケです。

3

観光名所の多くはオールド・ハバナと呼ばれる旧市街に位置します。ここは「ハバナ旧市街とその要塞群」としてユネスコの世界遺産にも登録されています。16世紀に建てられ、のちに再建されたサン・クリストバル大聖堂がそびえるカテドラル広場、フエルサ、モロ、プンタ、カバーニャといった4つの要塞はシンボリック。バロック建築が美しいハバナ大劇場、アメリカ・ワシントンDCの連邦議事堂を模したといわれるエル・カピトリオはキューバ革命時に国会議事堂として使用されていた威風堂々の存在感。世界遺産にふさわしい名所が点在します。

4

とはいえ、オールド・ハバナの楽しみはなんといっても街散策。迷路のような路地や古びた建物の間をさまよえば生活感あふれる人々の暮らしぶりが見え隠れします。食料品店や雑貨屋などをのぞいてみると、商品はそれほど豊富ではありませんがそれでも活気あふれる暮らしぶり、人生を謳歌する姿はたくましく、豊かさの本質を教えてくれるように思えるのです。

5

さらに、新市街まで足をのばせば革命広場があり、ゲバラの肖像画が掲げられた内務省ビルなどの見どころも。ぐるっと名所をまわる二階建てのダブルデッキの観光バスが便利です。

6

そしてキューバといえばヘミングウェイ。旧市街にある老舗ホテル「アンボス・ムンドス」は彼の定宿。好んで泊まっていた客室は現在、ミニ資料館になっていて生前、愛用していたタイプライターなどが飾られています。また、同じく旧市街にある「ラ・フロリディータ」はヘミングウェイが足しげく通ったバー。彼ご指名の辛口のダイキリを求めて多くの観光客が訪れる名物バーです。

7

ちなみに宿泊ですが旧市街には古いホテルがいくつかあります。国交回復に向けて米系大手のホテルも今後進出する予定ですが、現状はあまりおすすめできるホテルがありません。代わりにぜひ利用してもらいたいのが、日本でも知られてきた「民泊」。キューバではカサ・パルティクラルと呼ばれて昔から民泊が浸透しています。旧市街にも数多くあり、1泊3000~4000円程度で泊まることができます。朝食も家庭的で、フレッシュなフルーツや卵料理、サラダなど、シンプルだけれどみずみずしいメニューが登場。ファミリーオーナーが多く、アットホームな空間での温かなもてなしもまた、ハバナらしい体験になるはずです。

DSC_0396