マドリーのバラハス空港はまさに「スペインの顔」的存在。ヨーロッパの発着便はもちろんのこと、南米からヨーロッパへの旅行者の25％が通るという重要なハブ空港でもあります。発着が増え続けて20ヶ月経つとかで、不況にも関わらず、利用者が増え続けているという右肩上がりの空港なのだそう。

ところで、みなさんは空港に何を求めますか？移動しやすさ、搭乗口までのわかりやすさ、ショップの充実、お手洗いの綺麗さ……などなど、人それぞれかもしれません。ですが、空港使用が多ければ多いほど、きらびやかなブランド店も、免税店も見なくなるのが現実では。できることなら特別ラウンジなどに入れて、搭乗までゆっくりしていたい、というのが大勢の意見ではないでしょうか。

とはいえ、ゴールドもプラチナカードも所有していない庶民は、長い待ち時間をひたすらあの固いイスで横になったり縦になったり、もしくはスターバックスやマックに居座り、携帯やPCの画面をにらめっこで時間つぶし、というのが現実の姿なのかと思います。

先日、またも大急ぎでバラハス空港のターミナル４を駆け抜けていると、ふと目に留まったのがこの『Esenza』というお店。T4はバラハスの中でも著名建築家カラトラバによる採光の素晴らしい明るい内観ですが、なかでもさらに目を引く一画。明るいというより「まばゆい」感じがして足をとめると、それは美容サロンなのでした。

羽田や成田でもマッサージ室があるかと思いますが、バラハス空港T４は、更に特化しています。『Esenza By SHA』の経営母体SHA WELLNESS CLINICは、地中海岸アリカンテにある超高級ウェルネス施設。バカンスを楽しみにやってくるヨーロッパの富裕層が、健康と美容の更なる向上のために、１週間から数週間のプログラムを体験するクリニックです。その優雅な雰囲気をそのまま空港に持って来たというわけ。目立たないわけがありません。

高級かつシンプルな美容グッズの奥に、吸い込まれるような静かな魅力を持つサロン。小さいスペースを有効に使い各席のプライベート感を保っています。ここで施術してもらえるトリートメントの種類の多さは特筆に値します。

Wellness To Goと名付けられた様々な施術では、フェイシャルマッサージから、背中、首、足など全身マッサージを。プログラムBeauty To Goではマニキュア、ペティキュア、散髪、 脱毛、さらには男性用の頭髪マッサージプランも揃えるという完璧さです。空港という性格ゆえ、料金、時間も入り口で一目瞭然。最低料金15ユーロから、最低時間10分からというトリートメントの数々は、試さない手はありません。

あぁ！そしてなんとも私たちに魅力的なのは、ここのフェイシャル、マッサージ、シャンプー、ブロー、カット担当に日本人女性がいるということ（訪問前に確認してください！）。エステティシャンの米澤さんはフェイシャルには「古美道」を提供しているとか。

そしてT4サテライトのEsenza別店舗には 、ファーストフードが山盛り。ウェルネスなのに矛盾している！と思うなかれ。ひよこ豆のサラダ、野菜クリームスープ、お味噌汁、豆腐のキッシュなど、ファーストフードの領域を越えた品質と品揃えが自慢です。フレッシュフルーツやスムージーも購入できます。

ちなみに現在のバラハス空港のディレクターは40代前半の美しく聡明な女性。空港を常に利用客側から考えるという彼女のポリシーが、こういう場所にも反映しているようです。忙しく雑多な感覚の否めない空港のなか、非現実感覚が素晴らしいサロン。出発前15分、20分だけでも自分を可愛がる時間があれば、出張も楽しみに変わるに違いありません。バラハスT４から出発する予定のある方、普通の旅からほんの少し逸脱するのはいかがですか？ビジネスクラスに座らなくとも、特別な旅になることうけあいです。

Esenza By SHA(エセンサ バイ シャ)
http://esenzabysha.com/es/