ニューヨーク、LAに次ぐアメリカ3番目の大都市シカゴで、ここ15年ほど著しく変わってきたのが食文化。全米で注目を浴びるシェフのレストランが出現する一方、寿司屋、ラーメン屋などエスニック料理も流行っており、 今まさにグルメブームを迎えています。
バックタウンの同じビルに住む生粋のシカゴアンでAPのベテラン記者、ジェミー・リプキ氏によると、シカゴの食文化が豊になったのは、セレブシェフとして知られた故チャーリー・トロッター氏のお蔭とのこと。トロッター氏は料理界のオスカーと言われるジェームス・ビアード賞を受賞した後、自分の名を冠したフレンチ・レストランを1987年にオープンし、多くの料理人を育てたことで全米から注目を集めた人物。自然放牧によって生産された肉や有機野菜を重視する彼の考えは、今では地元のレストランに浸透しています。
シカゴには多種多様なレストランがありますが、先週の日曜日は、最近パンケーキが大好きな7才の息子と、シカゴで一番美味しい朝食店と言われる「ボンゴルーム」に出かけました。場所はシカゴのSOHOと言われ若者に人気があるウィッカー・パークにあり、週末になると行列が出来て30分から1時間待たされるのは日常のこと。シカゴで日本食レストランを2軒経営する日本人女性の友人も、ここの朝食が一番と太鼓判を押しています。
メニューには旨味系とスイート系があり、アボガド、マッシュルーム、ほうれん草、生バジル、スモークチーズ、チェダチーズなどのオプションから3つの食材を選べるオムレツ。アボガド、サルサソースなどをトウモロコシ粉でできた薄いパンで巻くブリートなど、メキシコ料理の影響を受けた品もあります。ベジタリアン・クロワッサン・サンドイッチ、イギリスのマフィンに落とし卵をのせるアメリカ朝食の定番品エッグベネディクトなど、どれにしようか迷ってしまうほど充実のメニュー。最近メニューを読めるようになった息子は興味津々でパンケーキを選び始めました。
イチゴとバナナ、トロピカル・ムース・クリームがのるバナナパンケーキなど、新鮮な果物トッピング入りのパンケーキが5種類ほどあり、サーバに薦めてもらって息子が」選んだのは、ホワイトチョコとバター風味のキャラメルソースがのるプレッツェルベースのパンケーキ。小麦粉とイーストを原料にして、甘みが少ないプレッツェルのパンケーキと甘いチョコとソースのバランスがほどよく取れていました。私がオーダーしたのは、ステーキとソテーされたクレミニ・マッシュルームにネギとバジルソースからなる緑色のオランデーズソースがのるエッグベネディクト。柔らかいお肉、マッシュルーム、落とし卵、緑のソースからなる贅沢な卵系の朝食です。サイドについてくるポテトソテーも最高の味でしたが、とても全部食べられる量ではなかったので、残り物はお持ち帰り。
日曜日の朝、カフェで幼い息子と2人で、さまざまな食材や調理法について話しながら、シカゴのグルメを存分に愉しむ一時を過ごしました。シカゴにお越しの際は、ウィッカーパークまで足を延ばし、ぜひ「ボンゴルーム」の朝食を試してみてください!