Nice:ニース
2016-02-08
屋台で味わう郷土料理「ソッカ」

旅の目的は街歩き、地元の名産を知ったり買ったり。そして、なんといってもその土地ならではのものを食べることですよね。今回は、ニースに訪れることがあれば是非食べていただきたい郷土料理「ソッカ(socca)」をご紹介します。

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フランス語をなかなか覚えられないわたしですが、この名前はすぐに覚えられました。「なんだ」ではなく「そっか」です。

材料は、「ひよこ豆の粉・水・(エキストラヴァージン)オリーブオイル・塩」だけ。小麦粉も卵も入りません。これらを混ぜて、両手を広げたほどはあるかと思われる大きな鉄板に流し込み、薄く広げてこんがり焼き上げた軽食がソッカです。

中世時代にイタリアから伝わり、当時は漁師さんがよく食べていたそうです。見た目はその形状から、クレープやインドのナンに似ています。味はしっかり塩味がついていて、少し厚みのある生地から韓国のチヂミを連想させますが、立ち上るひよこ豆の中東諸国を感じさせるコクのある香りが、自分は「ソッカ」だと主張してきます。

ソッカは材料も作り方も至ってシンプルですが、家庭ではほとんど作られていません。木をくべた釜の強い火力でないとカリッとふわりと焼き上げるのが難しいためです。ですので、地元ニースの人もみな外に食べに行きます。

街にはこの郷土料理ソッカを出すお店がたくさんありますが、とりわけ旧市街サレヤ広場のマルシェ(朝市)に2つある屋台がどちらも地元の人にも人気です。「SOCCA 3€」の看板が立っていますが、お店にを取り仕切る看板マダム(奥さん)が一番の目印です。時折ソッカの取材を受けるマダムは、テレビ慣れしているせいかベテラン女優のような貫禄があります。

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ムッシュ(ご主人)がお店で焼き上げたソッカを鉄板ごと屋台まで運び、マダムがそれを受け取るという夫婦間の連係プレーで、いつも焼きたてのソッカを提供しています。

マダムの、6〜8人分ほどもとれる大きな鉄板から躊躇なく大胆にカットして次々に紙に包んでいくその姿は、大勢の子供に食事を与える母ようでもあり、お客さんはみなお行儀よく並んでいます。しばらく並びますが、「自分の番は、あれよりも多めに盛ってもらえますように」とか、「焼きたてのソッカと交換のタイミングに自分の番が来ますように」という食欲旺盛で食い意地の張った心持ちで見つめているので、待っている時間もあっという間なのでした。

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2店は、同じソッカでも大きく個性が別れます。礼拝堂の前の屋台は、生地が柔らかくレアな食感。ひよこ豆の味をダイレクトに味わえる、満腹感のある一品です。少し奥に進んだところにある屋台のソッカは、カリッとしっかり焼き上げられていて、独特の香ばしさについつい手が伸びてしまいます。ひよこ豆とオリーブオイルの相性の良さを発見できる一品です。どちらもお店の個性が出ていておいしいですよ。是非食べ比べてみてください。

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そして、相性のいい飲み物は、やっぱり同じ郷土プロヴァンス産ロゼワイン!冬でもお天気のいい日は比較的温かいニース。太陽と郷土料理ソッカとロゼワインとともに時間を過ごすのが、“これぞニース!”の醍醐味です。

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