Nice:ニース
2016-06-29
食事前に集まるニースの“家アペロ”でピクニック気分!

夏に入るとニースのカフェテラス、ビーチ、公園ピクニックは一斉にキュートなピンクのロゼワインで彩られます。キリッと冷えてキラキラ光るロゼを、テーブルを飾る花のごとくに置いて、たっぷりの陽光を浴びながらゆったり会話を楽しむ。そんな人々の光景があちらこちらで見られます。とにかく、まぶしい海・空の「水色」、雲の「純白」、ロゼワインの「桃色」がとってもよく合います。まるでフランス国旗の夏バージョントリコロール。広い空と海を眺めていると、時間の経つのも忘れてしまいます。夜10時でもまだ明るいので、「日が暮れたのでそろそろ帰らなきゃ」という時間目安がありません。うっかりゆったりしていると、お店が閉まって夕飯のお買い物をし過ごしてしまうので要注意です。

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ニースではお昼からロゼが飲まれていますが、夕食前の時間帯に最もロゼが活躍します。多くの方もご存知の通り、フランスには夕食の前に友達を誘って一緒に「アペリティフ(=食前酒)」を飲む習慣があり、ニースも同様です。誘う時は、略して「アペロしない?」となります。「お茶(カフェ)しない?」よりも多く使用されるフレーズです。

「食べる前に飲む」。というとなんだか栄養ドリンクのようですが、確かに、軽めのアルコールで胃を刺激されて食欲モリモリ、仲間とおしゃべりして過ごして、疲れ回復元気モリモリになれます。小腹が空くので、アミューズブーシュと呼ばれる、オリーブやナッツなどの簡単なおつまみや食材といただきます。ワイン好き食いしん坊かつ寂しん坊にとってこの習慣は、まさに「フランス万歳!」です。

アペロは外だけではありません。家でもアペロをします。ニースの家アペロはあまりに日常過ぎるからか、驚くほど素朴。なのに、何か楽しい会が始まるワクワク感があります。友人宅のアペロがとても印象的でしたので、こちらを紹介したいと思います。日本でも真似してみてはいかがでしょうか。

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まず空間作り。
陽光が降り注ぐ窓を全開にして小さいテーブル、椅子を運び、“プチテラス”を作ります。

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そしてアミューズブーシュ。
ロゼワインはプロヴァンス地方がフランス最大の生産地。同じ地で採れるオリーブがよく合います。小粒なのに塩味が効いているのでおつまみにはぴったり。野菜なので胃にもたれることもありません。小さくて丸い形状は、お弁当に入っているプチトマトのごとく華やかさと安心感を与えてくれ、その存在感を発揮します。アペロには必ず取り入れたい食材です。他、ロゼには魚料理もよく合うので、スモークサーモンやオイルサーディン(缶詰)、あとはチーズ、トマトなど。パテやディップ、クリームチーズなどパンに塗る食材をスライスしたパンと並べます。どれも買ってきたものをそのまま、または切って盛るだけ。こんなに簡単なのに、とっても贅沢。

太陽と空を感じながら、ロゼといただくと手足が伸びやかになり、お皿にも手が伸びます。外でいただくと高いメニューなので経済的にも伸びやか(お呼ばれしている身分でなんてことを・・・)。要は、家ピクニックなんですね。家アペロって。だからウキウキするのかな。

アペロはお友達のそのまたお友達も大歓迎なので、初対面の人に出会えることも多々。食事前にみんなが集まるのを楽しみながら待てるアペロ、日本でも開催してみてはいかがでしょうか。

そういえば「アペロ」という言葉を初めて耳にした時は、犬の名前かと思ってしまったことを思い出します。こんなにたくさんの効能がある愛すべきワードですので、いつかペットを飼う時に名付けようと思います。

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もちろん、ときにはビールも飲みます!