Stockholm:ストックホルム
2015-09-11
ストックホルム大学の新学期

9月。新学期の始まりです。スウェーデンの大学は春と秋の二学期制で、多くのプログラムが秋学期から始まります。今回は私が通っているストックホルム大学のウェルカムデーに参加してきました。学長の「自分が好きなことを進んで学んでいって欲しい」という挨拶を聞きながら、自分が2年前に学生生活をスタートした時のことを思い出しました。

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スウェーデンに移ってきた当初、まさか30歳を過ぎて大学で勉強することになるとは思ってもいませんでした。友人は仕事でキャリアを積んでいたり、素敵なお母さんだったり。学生になることへの不安はあったけれど、今のままではきっと後悔するからステップアップするぞ!と決めてこちらでの仕事を一時中断し、学びたかったビジネス・アドミニストレーションのコースに申し込みました。

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このコースはマネージメント、マーケティング、アカウンティング、ファイナンスの4科目を学べる3年間の学士のプログラムです。現地学生が通うプログラムのため、授業はスウェーデン語で進められます。スウェーデン語を上達させるには最高の環境。必須条件であるスウェーデン語B (高校卒業程度の語学レベル)を習得してはいましたが、周りの学生と比べて書けない、セミナーで意見を言えない、想いが伝わらない。プレゼンテーションはガチガチに緊張して思うようにいかない。出来ないことが多すぎて、自分が情けなくなったことがよくありました。2年経った今でもプレゼンテーションはとても緊張します。だけど、大学に入って今まで見えていなかったこの国のこと、この国の人たちのことが以前よりも少し見えてきました。

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驚いたことの一つはやはり、大学の授業料無料。さらに国から支給される学生への補助金です。授業料無料の対象は、スウェーデン人、同国の永住権を持つ者、スイス人、EU、EES加盟国の学生。そして補助金対象者はスウェーデン人と同国永住権を 持つ者で、決められた条件(1学期中、決められた単位を受講すること、設定された限度額以上の収入がないこと等)を満たしている者。そして海外からの学生で別途定められた条件を満たしていれば、いくらか補助金が支給されているようです。ちなみに、フルタイムで勉強しているスウェーデン人と同国永住権を持つ学生の場合、月約2800クローナ(約40320円)の補助金が現在支給されています。

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これらの資金は全て国民の税金から賄われています。誰もが大学での高等教育を受ける権利があるというスウェーデンの人々の考え方と、それを実行しているこの社会には驚きを覚えます。税金の一部が学生の補助金として出ていくことについて、私の知人は「将来への投資だ。学生が卒業した後はその税金を払っていくことになる」と話していました。そして私個人としては、国際競争力を高めるための国の政策でもあるのではないかと考えています。

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国土は広くとも人口はたったの9,8百万人。大阪府の人口が8,8百万人なので、スウェーデンという国は人口の規模で言えばとても小さな国。そんな国でもIKEA, H&M, Volvo, Skype, Spotifyなど、スウェーデンで起業された大企業はたくさんあります。高い国際競争力がある一方で夏の間、一ヶ月程の長期休暇を取得しているスウェーデンの人たち。この国の色んな顔を少しずつ、知っていきたいなと思います。

●CSN(補助金を支給する機関) 
http://www.csn.se/en/2.1034/2.1036/2.1037

●ストックホルム大学
http://www.su.se/english/