Chicago:シカゴ
2015-09-08
夏の終わりは屋外でジャズフェス

世界各国から多くの人が訪れるシカゴ・ジャズ・フェスティバルがレイバー・デー(労働者の日)の週末に開催され、ミレニアム・パークは多くのジャズファンと、のんびりピックニックを満喫する家族連れで賑わった。世界最大のフリーコンサートの一つであるこのジャズ・フェスは、2012年までは隣のグラントパークで行われていたが、優れた音響システムと演奏者と聴衆をつなげる、というコンセプトでデザインされた屋外コンサート場を活用すべく、3年前からメインステージはこのミレニアム・パークの顔でもあるジェイ・プリツカー・ パビリオンに移された。著名建築家フランク・ゲイリーの有機的な作品としても有名だ。

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ジャズの巨匠、風変わりなミュージシャン、注目される新人などがシカゴ、ニューオリンズ、ニューヨークなど各都市固有のスタイルのジャズのリズムを4日間に渡り披露。約40あまりの演目があることから、会場は複数個所に設けられている。メインステージでの演奏が夕方5時から始まり、ステージ寄りの着席できる場所と、その後方の芝生には1万人以上が集まり、洗礼されたジャズの音とシックで迫力のある歌に酔いしれた。ここでは壮大なパビリオンとシカゴの摩天楼の夕焼けを同時に眺めながらジャズを堪能するという 魔法の世界のような一時 が存分に満喫した。

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シカゴ市の文化局と特別イベント局、シカゴ・ジャズ・インスティテュートの共催で行われる企画は、馴染みのあるレパートリだけではなく、作曲家に新たにアレンジを依頼するなど充実した内容で大好評だ。今年の特別企画は、著名なピアニストで作曲家のビリー・ストレイホーン生誕100周年を記念し、その作品を現在活躍する作曲家がアレンジ。シカゴ・ジャズ・コーケストラが演奏した。

また、シカゴで生まれた音楽団AACM (Association for the Advancement of Creative Musicians)の50周年記念を祝い、同団体がサポートするフリージャズやアバンギャルドの音楽家の演奏もあり、東京出身でシカゴで活躍するジャズ・ベーシストの青木タツさんも、40年のシカゴ生活で培った持ち味を披露した。シカゴ・ジャズ・インスティテュートはフリージャズやエクスペリメンタルジャズの音楽家をサポートし、このフェスティバルにも大勢を出演させている。それはシカゴの人々が創造的なジャズを誇りに思い、日頃から支援している表れでもある。

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ミシガン湖沿いにあるミレニアム・パークが静まり返る金曜日の夜中、シカゴ・ジャズ・オーケストラが奏でるトランペット、サックス、ピアノ、ベースなどの音は、まさにシカゴのゴージャズな夜を象徴。土曜日の夜はグラミー賞受賞者でジャズシンガーのディー・ディー・ブリッジウォーターの迫力のある声が、公園中に響き渡ったそうだ。レイバー・デーの連休は夏の終わりを告げるもので、少し寂しさも感じるが、アート関連のイベントが充実しているシカゴの秋も楽しみです!

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