Nice:ニース
2015-07-22
ヴィシーで出会った3つの名物

はじめてのフランス滞在、何はともあれフランスにご挨拶するため行った首都パリの次の滞在先は、フランス語に“語挨拶” すべく、3か月間通った語学学校があるオーベルニュ地域のヴィシー。フランスのおへそあたりです。滞在中、個人的にもなじみ深かった「ヴィシー」の冠が付く名物を3つご紹介したいと思います。

1つ目は、「ヴィシーセレスタンの温泉水」。ヴィシーは温泉療養地、スパリゾート地として有名です。この地でとれる温泉水(ミネラルウォーター)は、製品化されて日本の美意識の高い方々に愛飲されているようですが、美意識の低い私はこちらに来てから知りました。はじめてこの温泉水と出会ったのは、語学学校の校舎の裏を歩いていていたとき。ふと見つけた公共の水飲み場が、なんともクラシカルで風情があり、引き寄せられるようにお水を飲んだのですが、「なまぬるい!シュワシュワ!塩味!なにこれ?(発酵してる?)」とひとしきり驚いたあと、それが温泉水であることに気付きました。飲んで問題ない、というか飲んだ方が良いお水ということです。それ以降、授業の合間をぬってボトリングに行ったりジョギングの途中に寄ったりと、足しげく通うようになりました。

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よくよく調べると、ここ、実はヴィシーセレスタンという観光名所だったようです。なんとも無意識に贅沢な日常を送っていたのでした。“裏山でいつも採って食べていたキノコが実は松茸だった”的な贅沢感です。他に街の中心地にも源泉があり、飲泉所があります。温室みたいな建物です。なぜか廻りにはカップルばかり。みんなニコニコ。源泉ある場所は愛のパワースポットでもあるんですね。

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2つ目は、「ヴィシーパスティーユ」。“パスティーユ” はキャンディー、(薬用)トローチの意味。色と形がラムネに似ているので思わず噛んでしまったら、逆にこちらの歯がパスティーユに割られそうになりました。そのくらい堅いので噛む時は要注意です(ちっちゃいけど、なめたらあかんで。でも舐めるんやで)。

成分には温泉水から抽出されたミネラルたっぷりの塩が入っていて、マイルドな味わいです。そんなヴィシーパスティーユ、旅のお供にバッグに忍ばせるのをお勧めします。おいしい空気に触れながらゆっくり味わうと、ミネラル吸収率もグンとアップするはず。

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そして3つ目は「ヴィシーオペラ座」。オペラ座って、パリだけにあるものだと思っていたのですが、ヴィシーにもあったのです。オペラ以外に、オーケストラ、歌手、音楽家のコンサートなどが催され、街以外からもたくさんの人々がいらっしゃいます。中でもオペラはドレスアップしたマダム、ムッシュで溢れます。彼らと荘厳な建物の中に入場したときは、まるで社交界の一幕のようで気持ちの高揚がおさまりませんでした。そう、フランスで人生初のオペラ鑑賞を体験したのです。

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次回は、この初オペラに招待された経緯と、鑑賞して感じたことをもう少しお話したいと思います。